若山牧水の春の短歌5選vol.2で
春の訪れを感じてみませんか?
若山牧水の春の短歌を
やさしく楽しめるシリーズの第2回です。
今回は、春の光や風、
香りの中にある心の動きを、
わかりやすく紹介します。

むずかしい言葉を使わずに、短歌の魅力を感じられる内容にしました。

前回とあわせて読むことで、牧水の春の世界がより深く味わえます。
▶前回の記事はこちらから!
静かな冬の情景と、心にしみる想いを描いた牧水の短歌。
春の歌とあわせて読むことで、
季節の移ろいとともに変わる心の表情が、より深く感じられます。
若山牧水の冬の短歌5選(前回記事)もぜひご覧ください。
シリーズで読むことで、牧水の世界がいっそう広がります。
今回の5首で味わう、若山牧水の春
若山牧水 – Wikipedia(わかやまぼくすい)
今回の5首では、若山牧水が描く
春のやわらかな風景と
心の動きをやさしく味わえます。

海の音や花の香り、夕暮れの静けさなど、身近な情景を通して春を感じられる内容です。

はじめて短歌にふれる方でも読みやすく、ことばの美しさと余韻をゆっくり楽しめます。
▶若山牧水が自然の情景を旅の中で詠んだのに対し、同級生の北原射水(後の北原白秋)は、言葉のリズムや色彩豊かな表現で独自の世界を築きました。
同じ春を詠んだ歌人でも、北原白秋はまた違った魅力を見せてくれます。
若山牧水の春の短歌5選vol.2

「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね!
『うす紅に 葉はいちはやく 萌えいでて 咲かむとすなり 山ざくら花』


うす紅に 葉はいちはやく 萌えいでて 咲かむとすなり 山ざくら花
読み方:うすべにに ははいちはやく もえいでて さかむとすなり やまざくらばな
句意:この短歌では、うす紅の若葉が先に芽吹き、まもなく花を咲かせようとしている山桜。その春の訪れの気配が詠まれています。

つまりこの歌は、うす紅の葉がいちはやく萌え出る様子に、まもなく咲こうとする山桜の気配を感じ取ったものです。

また春の山で、静かに訪れる開花の前触れをとらえた牧水らしい一首。
花が咲く前の瞬間の美しさに目を向けた、やわらかな観察の歌です。
『海の声 そらにまよへり 春の日の その声のなかに 白鳥の浮く』


海の声 そらにまよへり 春の日の その声のなかに 白鳥の浮く
読み方:うみのこえ そらにまよへり はるのひの そのこえのなかに しらとりのうく
句意:この短歌では、春の海の波音が空へ広がるように響き、その静かな音の中に白鳥が浮かぶ穏やかな情景を詠んでいます。

つまりこの句は、春の日の海辺で聞こえる波の音が、空へと広がるように漂っている情景を詠んだ一首です。

また牧水は、海の声が空にまよふように響く感覚を繊細にとらえ、その静かな広がりの中に白鳥の姿を浮かび上がらせました。
音と風景がひとつに溶け合う春の海辺の静けさを感じさせる、牧水らしいやわらかな叙景の短歌です。
『小鳥より さらに身かろく うつくしく 哀しく春の 木の間ゆく君』


小鳥より さらに身かろく うつくしく 哀しく春の 木の間ゆく君
読み方:ことりより さらにみかろく うつくしく かなしくはるの このまゆくきみ
句意:この短歌では、春の木の間を、小鳥よりも軽やかに美しく通り過ぎていく君。その姿に恋の切なさを感じていると詠まれています。

つまりこの短歌は、春の木立のあいだを通り過ぎていく「君」の姿を詠んだ一首です。

牧水は、小鳥よりも軽やかな身のこなしと、その人の美しさをやさしく見つめています。しかし同時に、そこにはどこか哀しさを帯びた春の別れの気配も感じられます。
軽やかに去っていく姿の中に、恋心と切なさが重なる、牧水らしい抒情の短歌です。
『沈丁花 青くかをれり すさみゆく 若きいのちの なつかしきゆふべ』


沈丁花 青くかをれり すさみゆく 若きいのちの なつかしきゆふべ
読み方:じんちょうげ あおくかおれり すさみゆく わかきいのちの なつかしきゆうべ
句意:この短歌では、暮れに香る沈丁花の匂いに、荒んでゆく若い命の寂しさと懐かしさを感じた心情を詠んでいます。

つまりこの短歌は、夕暮れの空気の中で香る沈丁花の匂いに、若き日の心の揺れを重ねた一首です。

また牧水は、青く香る沈丁花の強い香りを感じながら、どこか荒んでいく若い命の感情を見つめています。
春の香りがただ甘いだけでなく、若さの寂しさや懐かしさを呼び起こすところに、この歌の深い余韻があります。
『やるせなき おもひの歌と なりもせで 植物園に 暮るる春の日』


やるせなき おもひの歌と なりもせで 植物園に 暮るる春の日
読み方:やるせなき おもいのうたと なりもせで しょくぶつえんに くるるはるのひ
句意:この短歌では、胸のやるせない思いを歌にできないまま、植物園で静かに春の日が暮れていく情景を詠んでいます。

つまりこの短歌は、胸の中にあるやるせない思いを歌にしようとしても、うまく言葉にならないまま春の日が暮れていく情景を詠んだ一首です。

また牧水は、やるせない思いが歌にならないもどかしさを静かに見つめています。
植物園という穏やかな場所にいながら、心の奥の寂しさを抱えたまま春の日が過ぎていく時間を感じさせる、しみじみとした歌です。
若山牧水の春の短歌5選vol.2 ちょっとむずかしいクイズ
クイズ:「牧水」という号の由来として正しいものはどれでしょう?
- 好きな動物と植物の名前から
- 母の名と自然(水)のイメージから
- 師匠の名前から

解答はまとめの最後にあります!
▶やわらかな春の光とともに、心の揺れを描いた牧水の短歌。
今回のvol.2とあわせて読むことで、
春のはじまりから満ちていく季節の変化が、よりはっきりと感じられます。
若山牧水の春の短歌5選(前回記事)もぜひご覧ください。
シリーズで読むことで、牧水の春の世界がいっそう深まります。
若山牧水の春の短歌5選vol.2 まとめ
若山牧水の春の短歌5選vol.2では、
春の風や光、香りの中にある
心の動きをやさしく味わいました。

海の音や花の気配、夕暮れの静けさなど、身近な風景を通して春の美しさを感じられる内容です。

前回とあわせて読むことで、牧水の春の世界がより深く楽しめます。
クイズの答え:2.母の名と自然(水)のイメージから


