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飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!

飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「泉石を 外づれる滝や 青嵐」この俳句をイメージした画像 俳句

季節のひとひらが、あなたの心にも静かに届きますように。

飯田蛇笏の夏の俳句で

自然の声に耳をすませてみませんか?

自然の風景に、

深い静けさと力強さを重ねる。

また飯田蛇笏の俳句は、

澄んだまなざしで季節の気配を

とらえる格調ある句風が魅力です。

末吉
末吉

今回の記事では、そんな蛇笏の夏の俳句から代表的な5句を選び、わかりやすく解説しました。

わたぼうし
わたぼうし

そして言葉の中にひろがる夏の山河を、ぜひ感じてみてください。

春の飯田蛇笏も気になる方へ
春の句にも、蛇笏らしい静けさと自然への深いまなざしが息づいています。
「飯田蛇笏の春の俳句5選 – 代表作をわかりやすく解説!」もあわせてご覧ください。

季節が変わっても、ことばの奥行きは変わりません。

👉飯田蛇笏の春の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!

夏を詠んだ飯田蛇笏とは?

飯田蛇笏- Wikipedia(いいだ だこつ)

近代俳句を代表する俳人のひとりで、

高浜虚子に師事し、「客観写生」を

大切にした作風で知られています。

自然を深く見つめ、

静けさや気配を重んじた格調ある句

多く残しました。

末吉
末吉

また、俳人・飯田龍太の父でもあり、親子二代にわたって俳句の世界に大きな影響を与えました。

飯田蛇笏の夏の俳句5選

末吉
末吉

「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね!

『藍々と 五月の穂高 雲をいづ』

飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「藍々と 五月の穂高 雲をいづ」この俳句をイメージした画像
飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「藍々と 五月の穂高 雲をいづ」この俳句を記載した画像

藍々と 五月の穂高 雲をいづ

読み方:あおあおと ごがつのほたか くもをいづ

季語:五月(ごがつ)

句意:この句では、五月の空にそびえる穂高の残雪の間から、青々とした山肌が雲を抜けて現れる清新な山の姿が詠まれています。

末吉
末吉

つまり残雪の穂高に雲が流れ、そこから青々とした山肌が顔を出す五月の光景を描いています。

わたぼうし
わたぼうし

また、「藍々(あおあお)」という色の響きが、雪と山肌、空との色彩のコントラストを鮮やかに浮かび上がらせているのがポイントです。

自然の雄大さと季節の清らかさを、言葉の余白に託した蛇笏らしい名句です。

『打水の ころがる玉を 見て通る』

飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「打水の ころがる玉を 見て通る」この俳句をイメージした画像
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打水の ころがる玉を 見て通る

読み方:うちみずの ころがるたまを みてとおる

季語:打水(うちみず)

句意:この句では、打ち水によって生まれた水の玉がころがるさまを、何気なく目で追いながら通り過ぎる情景が詠まれています。

末吉
末吉

つまり地面にまかれた打ち水が玉のように転がり、それをふと目で追いながら通り過ぎる場面を描いています。

わたぼうし
わたぼうし

また、「ころがる玉」という比喩が、水滴の美しさと一瞬のきらめきを繊細にとらえているのがポイントです。

暑さのなかの涼やかな静けさを、蛇笏らしい写生のまなざしでとらえた一句です。

『泉石を 外づれる滝や 青嵐』

飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「泉石を 外づれる滝や 青嵐」この俳句をイメージした画像
飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「泉石を 外づれる滝や 青嵐」この俳句を記載した画像

泉石を 外づれる滝や 青嵐

読み方:せんせきを はずれるたきや あおあらし

季語:青嵐(あおあらし)

句意:この句では、青嵐の風にあおられ、滝の流れが岩から外れて落ちていく様子が、夏の自然の勢いとして詠まれています。

末吉
末吉

つまり初夏の青嵐に吹かれて、滝の水が泉石(岩)から外れて落ちていく光景を描いています。

わたぼうし
わたぼうし

また、「外づれる」という動きの表現が、風と水がぶつかり合う一瞬の変化を印象づけるのがポイントです。

自然の力強さと繊細な動きを、蛇笏らしい写実のまなざしで切り取った一句です。

『月の窓に ものの葉うらの ほたるかな』

飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「月の窓に ものの葉うらの ほたるかな」この俳句をイメージした画像
飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「月の窓に ものの葉うらの ほたるかな」この俳句を記載した画像

月の窓に ものの葉うらの ほたるかな

読み方:つきのまどに もののはうらの ほたるかな

季語:ほたる(蛍)

句意:この句では、月明かりが差す窓辺に、葉の裏からふわりと蛍が光る様子が、夜の静けさの中にそっと浮かび上がるように詠まれています。

末吉
末吉

つまり月明かりの差す窓辺に、葉の裏から蛍がふわりと光を放つ幻想的な場面を描いています。

わたぼうし
わたぼうし

また、「ものの葉うら」という表現が、見えにくい場所から現れる光の繊細さと、夜の静けさを引き立てるのがポイントです。

自然の奥ゆかしさと光のはかなさを、蛇笏らしい静謐な感性でとらえた一句です。

『ほこりだつ 野路の雨あし 夏薊』

飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「ほこりだつ 野路の雨あし 夏薊」この俳句をイメージした画像
飯田蛇笏の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説!「ほこりだつ 野路の雨あし 夏薊」この俳句を記載した画像

ほこりだつ 野路の雨あし 夏薊

読み方:ほこりだつ のじのあまあし なつあざみ

季語:薊(あざみ)

句意:この句では、乾いた野道に雨が降り、ほこりが立ち上がる中にたくましく咲く夏の薊の姿が詠まれています。

末吉
末吉

つまり雨脚の落ちる野路にほこりが立ち、そこに夏薊が咲いているという荒々しくも力強い風景を描いています。

わたぼうし
わたぼうし

また、「ほこりだつ」という描写が、夏の乾いた土地と突然の雨の対比を鮮やかに見せるポイントです。

厳しい自然のなかに咲く薊の存在感を、蛇笏らしい写実と重厚な表現でとらえた一句です。

飯田蛇笏の俳句ちょっとむずかしいクイズ

クイズ:飯田蛇笏の句「泉石を 外づれる滝や 青嵐」で、“外づれる”とあるのは、どういう意味でしょう?

  1. 滝が音を立てて岩を砕いている様子
  2. 滝の水が風に流されて岩からずれて落ちる様子
  3. 岩が風で動いて滝から外れていく様子

飯田蛇笏の夏の俳句5選まとめ

飯田蛇笏の夏の俳句は、

自然の静けさや力強さを深くとらえた表現が特徴です。

また山や水、風や光など、

季節の気配がくっきりと立ちあがる句が多く、

読むほどに情景が広がります。

末吉
末吉

そして日常の一瞬に宿る美しさを、格調高くやさしい言葉で描いた世界を、これからも味わってみてください。

クイズの答え:2.滝の水が風に流されて岩からずれて落ちる様子

たとえば「滝=まっすぐ落ちるもの」と思いがちですが、
この句では“青嵐”という強い風が吹いているため、
滝の水が岩の上からはずれて流れ落ちる動きが描かれています。
また「外づれる」という表現は、ただの風景ではなく、
自然の力のぶつかり合いを繊細に表しているのがポイント。
そして、静けさの中に雄大さがひそむ一句となっています。

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