飯田蛇笏の秋をテーマにした俳句は、
自然の美しさや季節の移ろいを
感じさせてくれます。
今回は、初心者でも楽しめる蛇笏の秋の俳句をイラストと共に5つ厳選して紹介します。
イラストを通じて、言葉だけではなく、視覚的にも楽しめるように工夫されています。秋の静かな風景や深まる情感を、シンプルな解説と共に堪能してみましょう。
俳句の基本を学びたい方は、俳句を始めるならこれ！松尾芭蕉と俳句の世界や俳句を趣味に！シニアが楽しむポイント10選の記事を参考にしてみてください。また飯田蛇笏の冬の俳句についても、こちらの記事でご紹介しています。冬の情景もぜひお楽しみください。
飯田蛇笏とは？
飯田蛇笏 – Wikipedia（いいだだこつ）は、
近代を代表する俳人で、
自然や季節の移ろいを
深く詠んだ作品が特徴です。
彼の俳句は、静寂の中にある自然の美しさや、人間の感情を繊細に描き出し、多くの読者に親しまれています。
また、特に、四季折々の風景や自然の中で感じる感動を詠んだ句が多く、独特の静けさと深い感慨が特徴です。
イラストでシンプルに楽しむ飯田蛇笏の秋の俳句5選
「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね！
『くろがねの 秋の風鈴 なりにけり』
くろがねの 秋の風鈴 なりにけり
読み方：くろがねの あきのふうりん なりにけり
季語：秋の風鈴
句意：秋風に鳴る風鈴を詠んでいます。
つまり「くろがねの」という表現から、鉄製の風鈴であることがわかり、硬質な響きを持つ音が想像されます。秋の冷たく澄んだ風によって鳴る音は、夏の風鈴とは異なり、季節の移ろいを強く感じさせるものです。
また「なりにけり」という終わり方から、風鈴が風に乗って鳴り響く瞬間が描かれ、秋の静けさの中に響く音が強調されています。
この句では季節の変化と風鈴の音を通じて、秋の深まりを静かに表現しています。
『をりとりて はらりとおもき すすきかな』
をりとりて はらりとおもき すすきかな
読み方：をりとりて はらりとおもき すすきかな
季語：すすき
句意：秋のすすきを手折る瞬間を詠んでいます。
つまり「をりとりて」という動作で、作者がすすきを手に取った様子が描かれていますが、「はらりとおもき」と続けることで、その軽やかな見た目とは裏腹に、手に取ると意外と重さを感じるすすきの特徴が際立ちます。
またこの「おもき」には、物理的な重さだけでなく、秋という季節の深まりや、すすきが象徴する儚さや寂寥感が込められています。
この句では、秋の自然の中にある繊細な感覚を、この句で見事に表現しており、自然と感情が結びついた深い一瞬を感じさせます。
この句のしっとりとした秋の風情とは対照的に、冬の俳句では厳しい寒さの中の静寂が描かれています。
『秋草を とりてひややか 菩提心』
秋草を とりてひややか 菩提心
読み方：あきくさを とりてひややか ぼだいしん
季語：秋草
句意：秋草を手に取った際の冷たさを通して、仏教の菩提心を感じた瞬間を詠んでいます。
つまり「秋草をとりてひややか」という表現で、手に伝わる秋草の冷たさが強調され、季節の変わり目とともに、無常観が浮かび上がります。
また「菩提心」は仏教的な悟りを求める心であり、この冷たさに触れた瞬間に、生命の無常や自然の真理を意識し、深い精神的な気づきを得ていることが示されています。
この句では、自然の小さな感覚の中に、悟りの深さを見出し、自然と仏教的な精神性を巧みに結びつけています。
『地と水と 人をわかちて 秋日澄む』
地と水と 人をわかちて 秋日澄む
読み方：ちとみずと ひとをわかちて あきひすむ
季語：秋日澄む
句意：秋の日の澄んだ光景を通して、自然と人間の関係を描いています。
つまり「地と水と 人をわかちて」という表現で、大地と水、そして人間がそれぞれ異なる存在として区別されている様子が強調されています。
また自然界の要素と人間が調和しつつも別々の存在として静かに並び立っている情景が浮かびます。「秋日澄む」という季語で、秋の澄み切った空気と静かな光が、全体に冷静で透明感のある雰囲気を与えています。
この句では、自然の美しさと静けさを通じて、人間が自然の一部でありながらも独立した存在であることを静かに表現しています。
『滝津瀬に 三日月の金 さしにけり』
滝津瀬に 三日月の金 さしにけり
読み方：たきつせに みかづきのきん さしにけり
季語：三日月
句意：滝の流れに三日月の光が差し込む瞬間を詠んでいます。
つまり「滝津瀬」という力強く流れる滝の情景に、「三日月の金」という光が優しく差し込むことで、動と静のコントラストが際立っています。
また「さしにけり」という表現で、三日月の光がまるで金色に輝きながら水面に差し込む様子が描かれており、神秘的で幻想的な一瞬を感じさせます。
この句では、自然の中の一瞬の美しさと調和を見事に表現しています。
飯田蛇笏のちょっとむずかしいクイズ
クイズ：飯田蛇笏の本名は何でしょう？
- 飯田隆
- 飯田武治
- 飯田龍太
秋だけでなく、飯田蛇笏が詠んだ冬の俳句もお楽しみください。また季節ごとの俳句の移り変わりを感じることで、より一層俳句の世界が広がります。イラストでシンプルに楽しむ飯田蛇笏の冬の俳句5選の記事もぜひご覧ください。
まとめ
飯田蛇笏の俳句をわかりやすく楽しめるように、
イラストと共に紹介しています。
また秋の情景や季節の移ろいが、視覚的に伝わるので、
初心者でも俳句の世界に入りやすいです。
自然の美しさや深みを感じる飯田蛇笏の俳句を、シンプルな解説と共に楽しんでいただけます。
秋の俳句をもっと身近に感じてみましょう。
飯田蛇笏の俳句をもっと楽しみたい方は、こちらの記事一覧をご覧ください。四季折々の情景を詠んだ俳句をまとめています。飯田蛇笏の世界観に触れ、俳句の魅力をさらに味わってみてください。こちらから。
クイズの答え：2. 飯田武治
