斎藤茂吉の短歌まとめ ― 生涯・作風・名歌・短歌一覧 ―
斎藤茂吉とは(プロフィール)
斎藤茂吉(さいとう もきち/1882–1953)は、医師であり歌人として活躍した人物です。代表歌集『赤光』では、生命の実感や身体感覚を率直な言葉で詠み、日本近代短歌に新たな表現の道を切り開きました。
また写実を基盤としつつ、感情や思想を抑制した表現に特徴があります。アララギ派の中心的存在として、多くの後進の育成にも尽力しました。
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サイト運営者が選ぶベスト3(わたぼうし選)
ここでは、「ことばあそびの詩唄」で紹介してきた茂吉の短歌の中から、わたぼうし&末吉コンビが選んだお気に入りベスト3をご紹介します。
🥇 第1位
赤茄子の 腐れてゐたる ところより
幾程もなき 歩みなりけり
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腐りかけた赤茄子のそばから、ほんのわずか歩み出ただけ――命の現在地と、その先の短さを、過剰な比喩なく突きつける一首。生の実感が、視覚と感触をともなって迫ってくる。

これ、説明しようとすると全部こわれる句だよね

うん…“わずかに歩む”って言葉が、こんなに重くなるとは思わなかった

生きてる距離が“測れる”感じがしてしまう

だから怖いし、でも目を逸らせないんだよね
🥈 第2位
あかあかと 一本の道とほりたり
たまきはる 我が命なりけり
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赤々と照らされる一本道を歩いている、そのこと自体が「今ここにある命」なのだと、静かに言い切る歌。抽象化せず、足元にある生をそのまま掴み取っている。

“我が命なりけり”って、断定なのが強いよね

迷いがないというより、受け入れきった感じがする

歩いてる=生きてる、が一体化してる

この静けさ、茂吉にしか出せないね
🥈 第3位
あつき日は 心ととのふる 術もなし
心のまにま みだれつつ居り
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暑さの中で心を整える術もなく、乱れるままに身を置いている――感情を制御しないことを、そのまま肯定するような一首。

これは“だめな日”の歌だよね

でも、だめな日を否定してないのが救い

整えようとしない勇気がある

人間くささ、ここに極まってると思う
季節から読む斎藤茂吉の短歌
🌸 春の短歌へ
春の短歌一覧
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胸にやわらぐ光、
芽吹きの気配をたどる季節。

🌻 夏の短歌へ
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強い陽ざしと
生命の鼓動が響く、躍動の季節。

🍁 秋の短歌へ
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静まる風に色づく日々、
深まりゆく情緒の季節。

❄ 冬の短歌へ
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澄んだ空気と
静けさに包まれる、深い余白の季節。

🌙 無季・心象の短歌へ
無季・心象の短歌一覧
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季節を限定せず、心の動きを中心に
詠んだ歌をここにまとめます。

斎藤茂吉の短歌一覧(季節別・当サイト掲載分)
※当ページでは「ことばあそびの詩唄」で紹介した斎藤茂吉の短歌を、春・夏・秋・冬・無季の順にまとめています。
🌸 春の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| あづさゆみ 春は寒けど 日あたりの よろしき處 つくづくし萌ゆ | 春 | 解説ページへ |
| 音たてて 山の峡より いでてくる 雪解の水は 岸を浸せり | 春 | 解説ページへ |
| うぐひすは かなしき鳥か 梅の樹に 来啼ける声を 聞けど飽かなく | 春 | 解説ページへ |
| 来むかへる 春を浅みと けふ一日 板谷のやまに 大雪ふれり | 春 | 解説ページへ |
| うつつにし もののおもひを 遂ぐるごと 春の彼岸に 降れる白雪 | 春 | 解説ページへ |
| かたまりて 土をやぶれる 羊歯の芽の 巻葉かなしく 春ゆかむとす | 春 | 解説ページへ |
| 春雨は くだちひそまる 夜空より 音かすかにて 降りにけるかも | 春 | 解説ページへ |
🌻 夏の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| あつき日は 心ととのふる 術もなし 心のまにま みだれつつ居り | 夏 | 解説ページへ |
| くれなゐの 大き牡丹の 咲くみれば 花のおほきみ 今かかがやく | 夏 | 解説ページへ |
| 蚊帳のなかに 放ちし蛍 夕されば おのれ光りて 飛びそめにけり | 夏 | 解説ページへ |
| 夕ひかる 里つ川水 夏くさに かくるる處 まろき山見ゆ | 夏 | 解説ページへ |
| ひとりして 比叡の山を われ歩み あかつき闇に 啼くほととぎす | 夏 | 解説ページへ |
🍁 秋の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| 霜ふりて 一もと立てる 柿の木の 柿はあはれに 黒ずみにけり | 秋 | 解説ページへ |
| 火の山を 繞る秋雲の 八百雲を ゆらに吹きまく 天つ風かも | 秋 | 解説ページへ |
| 事なくて 見ゐる障子に 赤とんぼ かうべ動かす 羽さへふるひ | 秋 | 解説ページへ |
| 秋のひかり 土にしみ照り 苅しほに 黄ばめる小田を 馬の来る見ゆ | 秋 | 解説ページへ |
| うつそみは 常なけれども 山川に 映ゆる紅葉を うれしみにけり | 秋 | 解説ページへ |
❄ 冬の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| ゆふされば 大根の葉に ふる時雨 いたく寂しく 降りにけるかも | 冬 | 解説ページへ |
| ひさかたの しぐれふりくる 空さびし 土に下りたちて 鴉は啼くも | 冬 | 解説ページへ |
| あしびきの 山こがらしの 行く寒さ 鴉のこゑは いよよ遠し | 冬 | 解説ページへ |
| 竹おほき 山べの村の 冬しづみ 雪降らなくに 寒に入りけり | 冬 | 解説ページへ |
| 雪ふりて 白き山より いづる日の 光に今朝は 照らされてゐぬ | 冬 | 解説ページへ |
| しみ到る ゆふべのいろに 赤くゐる 火鉢のおきの なつかしきかも | 冬 | 解説ページへ |
| 谷底を 日は照らしたり 谷そこに ふかき落葉の 朽ちし色はや | 冬 | 解説ページへ |
| たとふれば 一瞬の 朝日子は うすくれなゐに 雪を染めたる | 冬 | 解説ページへ |
🌙 無季・心象の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| 赤茄子の 腐れてゐたる ところよ り幾程もなき歩みなりけり | 無季 | 解説ページへ |
| かがやける ひとすぢの道 遥けくて かうかうと風は 吹きゆきにけり | 無季 | 解説ページへ |
| あかあかと 一本の道とほりたり たまきはる 我が命なりけり | 無季 | 解説ページへ |
| はるばると 薬をもちて 来しわれを 目守りたまへり われは子なれば | 無季 | 解説ページへ |
