長塚節の短歌まとめ ― 生涯・作風・名歌・短歌一覧 ―
長塚節とは(プロフィール)
長塚節(ながつか たかし/1879–1915)は、土の匂いが立つような写実と、まっすぐな心情を短歌に結んだ歌人・小説家です。農村の暮らしや季節の手ざわりを、飾らない言葉で丁寧に描かれました。
自然の音や光、家の気配までが静かに立ち上がる作風で、読むほどに日常の尊さが深く残ります。
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短歌の最新記事ベスト3
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サイト運営者が選ぶベスト3(わたぼうし選)
ここでは、「ことばあそびの詩唄」で紹介してきた節の短歌の中から、わたぼうし&末吉コンビが選んだお気に入りベスト3をご紹介します。
🥇 第1位
ガラス戸の 中にうち臥す 君のために
草萌え出づる 春を喜ぶ
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ガラス戸の内で横になっている「君」を思い、外の草が萌え出す春を、いっそう大切に喜んでいる歌です。春の明るさが、やさしい看病の心と重なって伝わってきます。

“君のために”が、まっすぐですね。春が希望になる瞬間が、ちゃんと写っています。

うん…外の春が、室内の静けさを照らしている感じ。読むだけで胸が温かくなります。
🥈 第2位
さやさやに 水行くなべに 山坂の
竹の落葉を 踏めば涼しも
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さらさらと水が流れるあたりで、山道の竹の落葉を踏むと、涼しさが足元から立ち上がってくる――夏の体感がそのまま伝わる一首です。

音がいい。“さやさや”“踏めば”で、身体感覚が即座に入ってくる。

涼しさを“見せる”じゃなくて、“歩かせてくれる”歌ですね。気持ちまで軽くなります。
🥉 第3位
しろたへの 衣手寒き 秋雨に
庭の木犀 香に聞え來も
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秋雨の冷えの中、白い袖が寒く感じられる。そのとき庭の木犀の香りがふっと届いてくる――冷えと香りの対比で、秋の深まりが際立ちます。

触覚(寒さ)と嗅覚(香り)の切り替えが鮮やか。秋が“近づく”のが分かる。

雨の静けさの中で、香りだけがそっと前に出るんですね。余白がきれいです。
季節から読む長塚節の短歌
🌸 春の短歌へ
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胸にやわらぐ光、
芽吹きの気配をたどる季節。

🌻 夏の短歌へ
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強い陽ざしと
生命の鼓動が響く、躍動の季節。

🍁 秋の短歌へ
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静まる風に色づく日々、
深まりゆく情緒の季節。

❄ 冬の短歌へ
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澄んだ空気と
静けさに包まれる、深い余白の季節。

長塚節の短歌一覧(季節別・当サイト掲載分)
※当ページでは「ことばあそびの詩唄」で紹介した長塚節の短歌を、春・夏・秋・冬・無季の順にまとめています。
🌸 春の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| 春雨の 露おきむすぶ 梅の木に 日のさすほどの 面白き朝 | 春 | 解説ページへ |
| ガラス戸の 中にうち臥す 君のために 草萌え出づる 春を喜ぶ | 春 | 解説ページへ |
| 若草の はつかに萌ゆる 庭に來て 雀あさりて 隣へ飛びぬ | 春 | 解説ページへ |
| 庭の隅に 蒔きたる桃の 芽をふきて 三とせになりて 乏しく咲きぬ | 春 | 解説ページへ |
| 春霞 立ちかも渡る 佐保姫の 練の綾絹 引き干せるかも | 春 | 解説ページへ |
🌻 夏の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| 惜しまるゝ 花のこずゑも この雨の 晴れてののちや 若葉なるらむ | 夏 | 解説ページへ |
| 白妙の あやめの上を とぶほたる うすき光を はなちて去りぬ | 夏 | 解説ページへ |
| 時鳥 竹やぶ多き 里過ぎて 麦のはたけの 月に鳴くなり | 夏 | 解説ページへ |
| 那須の野の 萱原過ぎて たどりゆく 山の檜の木に 蝉のなくかも | 夏 | 解説ページへ |
| さやさやに 水行くなべに 山坂の 竹の落葉を 踏めば涼しも | 夏 | 解説ページへ |
🍁 秋の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| 夕されば むらさき匂ふ 筑波嶺の しづくの田居に 雁鳴き渡る | 秋 | 解説ページへ |
| しろたへの 衣手寒き 秋雨に 庭の木犀 香に聞え來も | 秋 | 解説ページへ |
| 竪長の 横狹の湖ゆ 見出せば おほに棚引き 天の川見ゆ | 秋 | 解説ページへ |
| 秋風の はつかに吹けば いちはやく 梅の落葉は あさにけに散る | 秋 | 解説ページへ |
| 秋の日の 日和よろこび 打つ畑の くまみにさける 唐藍の花 | 秋 | 解説ページへ |
❄ 冬の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| 水仙の 花にむしろも おほひあへず 小さき庭を かせ時雨きぬ | 冬 | 解説ページへ |
| つくばねに 雪積むみれば 榛の木の 梢寒けし 花はさけども | 冬 | 解説ページへ |
| さびしらに 枝のことごと 葉は落ちし 李がしたの 石蕗の花 | 冬 | 解説ページへ |
| 山茶花の はかなき花は 雨故に 土には散りて 流されにけり | 冬 | 解説ページへ |
| をちかたの 林もおほに 冬の田に 霞わたれり 霜いたくふりて | 冬 | 解説ページへ |
