伊藤左千夫の短歌まとめ ― 生涯・作風・名歌・短歌一覧 ―
伊藤左千夫とは(プロフィール)
伊藤左千夫(いとう さちお/1864–1913)は、写実的な自然描写と生活感のあるまなざしで知られる歌人・作家です。正岡子規に学び、のちに短歌結社「アララギ」の中心的存在として活躍されました。
農村や季節の移ろいを、素朴で強い言葉に結びつけた作品が多く、読むほどに静かな実感が残ります。
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短歌の最新記事ベスト3
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サイト運営者が選ぶベスト3(わたぼうし選)
ここでは、「ことばあそびの詩唄」で紹介してきた左千夫の短歌の中から、わたぼうし&末吉コンビが選んだお気に入りベスト3をご紹介します。
🥇 第1位
牛飼が 歌詠む時に 世の中の
あたらしき歌 大いに起る
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日々牛を飼い、自然とともに生きる人が歌を詠むとき、そこからこそ新しい時代の歌が生まれる――生活の現場に根ざした言葉の力を、力強く宣言した一首です。

これはもう、歌論そのものですね。技巧よりも、暮らしの中から立ち上がる声を信じている。

うん…“牛飼が”って言葉がいいですよね。名もない日常の中に、新しい歌の芽があるって、この一句がそっと背中を押してくれる気がします。
🥈 第2位
なぐさみに 植ゑたる庭の 葉広菜に
白玉置きて 春雨のふる
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慰めのために植えた庭の青菜に、春雨が白玉のように玉となって宿っている情景。静かな暮らしと、やさしい時間の流れが伝わってきます。

視線が低い。だからこそ、雨の重みや光がよく見える。

派手じゃないけれど、“生きている感じ”がちゃんと残る歌ですね。読むと呼吸がゆっくりになります。
🥉 第3位
とりどりに 色あはれなる 秋草の
花をゆすりて 風ふき渡る
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色とりどりの秋草が、風に揺すられながら一斉にそよぐ――季節の深まりを、動きと色彩で捉えた一首です。

自然を“きれい”で終わらせない。風の力がちゃんと入っているのが左千夫らしい。

“ゆすりて”がいいですね。ただ咲いているだけじゃなく、秋そのものが動いている感じがします。
季節から読む伊藤左千夫の短歌
🌸 春の短歌へ
春の短歌一覧
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胸にやわらぐ光、
芽吹きの気配をたどる季節。

🌻 夏の短歌へ
夏の短歌一覧
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強い陽ざしと
生命の鼓動が響く、躍動の季節。

🍁 秋の短歌へ
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静まる風に色づく日々、
深まりゆく情緒の季節。

❄ 冬の短歌へ
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澄んだ空気と
静けさに包まれる、深い余白の季節。

🌙 無季・心象の短歌へ
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季節を限定せず、心の動きを中心に
詠んだ歌をここにまとめます。

伊藤左千夫の短歌一覧(季節別・当サイト掲載分)
※当ページでは「ことばあそびの詩唄」で紹介した伊藤左千夫の短歌を、春・夏・秋・冬・無季の順にまとめています。
🌸 春の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| なぐさみに 植ゑたる庭の 葉広菜に 白玉置きて 春雨のふる | 春 | 解説ページへ |
| 天つ日の うらうら匂ふ 岡のうへの 桜を見れば 神代しおもほゆ | 春 | 解説ページへ |
| ひたすらに 我父上を まちはべる 都の櫻 咲かんとぞせば | 春 | 解説ページへ |
| 春雨の ふた日ふりしき 背戸畑の ねぎの青鉾 なみ立ちてけり | 春 | 解説ページへ |
🌻 夏の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| 雨の夜を ともす燈火 おぼろげに 見ゆる牡丹の くれなゐの花 | 夏 | 解説ページへ |
| 夏草の 菖蒲が浦に 舟よせて 竜頭の滝を 見にぞわがこし | 夏 | 解説ページへ |
| くれなゐの 唐くれなゐの けしの花 夕日を受けて 燃ゆるが如し | 夏 | 解説ページへ |
| たきつぼの よどみ藍なす 中つせの 黒岩の上に 立てば涼しも | 夏 | 解説ページへ |
| 園を広み 木立めぐらし 田をつくり 千うね八千うね あやめ植ゑにけり | 夏 | 解説ページへ |
🍁 秋の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| 朝川に うがひに立ちて 水際なる 秋海棠を うつくしと見し | 秋 | 解説ページへ |
| 秋くさの 千ぐさの園に 女郎花 穂蓼の花と たかさあらそふ | 秋 | 解説ページへ |
| もみぢ葉の いてりあかるき 谷かげの 岩間どよもし 水おちたぎつ | 秋 | 解説ページへ |
| とりどりに 色あはれなる 秋草の 花をゆすりて 風ふき渡る | 秋 | 解説ページへ |
| かへらんと おり立つ庭の 草むらに こほろぎ鳴きて 月薄曇る | 秋 | 解説ページへ |
❄ 冬の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| ちりひとつ なしと歌われし 吾庭の 荒れにけるかも 落葉つみつつ | 冬 | 解説ページへ |
| 朝清め 今せし庭に 山茶花の いささか散れる 人の心や | 冬 | 解説ページへ |
| 咲草の 三つの蕾の 一つのみ 花になりたる 冬深草 | 冬 | 解説ページへ |
| 霜枯の まがきのもとに 赤玉の かがやくなして 咲く冬牡丹 | 冬 | 解説ページへ |
| 松の上に いささ雪つみ 松が根の 土はかぐろし 今朝のはつ雪 | 冬 | 解説ページへ |
🌙 無季・その他の短歌
| 短歌 | 季節 | 解説 |
|---|---|---|
| 牛飼が 歌詠む時に 世の中の あたらしき歌 大いに起る | 無季 | 解説ページへ |
