河東碧梧桐の俳句は、
自然や日常を自由な視点で描き、
シンプルながらも深い感動を与えてくれます。
今回は、初心者でも楽しめる碧梧桐の秋の俳句をイラストと共に5つ厳選して紹介します。
碧梧桐の独特な視点と感性を、イラストを通じて楽しみながら、俳句の魅力を感じてみてください。
俳句の基本を学びたい方は、俳句を始めるならこれ！松尾芭蕉と俳句の世界や俳句を趣味に！シニアが楽しむポイント10選の記事を参考にしてみてください。伝統を重んじた高浜虚子の秋の俳句についてもこちらの記事でご覧いただけます。
河東碧梧桐とは？
河東碧梧桐 – Wikipedia（かわひがし へきごとう）は、
明治時代から昭和にかけて活躍した俳人です。
また彼は、伝統的な俳句に新しい視点を取り入れ、
「自由律俳句」と呼ばれる形式を確立しました。
自然や日常を大胆かつ自由に表現することを重視し、そして従来の5・7・5の枠にとらわれない俳句を数多く生み出しました。
また、初心者にも親しみやすい作品が多く、俳句の新しい可能性を広げたことで、多くの後進にも影響を与えました。
伝統的な俳句の美を守った高浜虚子の人物像はこちらの記事でご覧いただけます。
イラストでシンプルに楽しむ河東碧梧桐の秋の俳句5選
「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね！
『三日月や この頃萩の 咲きこぼれ』
三日月や この頃萩の 咲きこぼれ
読み方：みかづきや このごろはぎの さきこぼれ
季語：萩
句意：夜空に浮かぶ三日月と、萩の花が咲きこぼれる様子を描いています。
つまり「三日月や」という静かな夜空を背景に、「この頃萩の咲きこぼれ」で、今まさに盛りを迎えた萩の花が溢れるように咲いている様子が表現されています。
また三日月の細い光と、咲き誇る萩の花が対比され、自然の中の調和と美しさが描かれています。
この句では、秋の風情と夜の静けさが巧みに表現されています。
『蕎麦白き 道すがらなり 観音寺』
蕎麦白き 道すがらなり 観音寺
読み方：そばしろき みちすがらなり かんのんじ
季語：蕎麦白き/蕎麦の花
句意：蕎麦の花が白く咲き揃う風景が、観音寺へ向かう道中に広がっている様子を描いています。
つまり「蕎麦白き」という表現で、白い蕎麦の花が広がる景色が印象的に表現されています。
また「道すがらなり」ということで、旅路や日常の道中での景色が自然に映し出され、観音寺という静かな場所への導入が描かれています。
この句では、碧梧桐の観察力と風景描写が際立つ、日常の中に美しさを見出す俳句です。
『この道の 富士になり行く 芒かな』
この道の 富士になり行く 芒かな
読み方：このみちの ふじになりゆく すすきかな
季語：芒（すすき）
句意：道の先に見える富士山が、周りの芒（すすき）の風景と重なり、そして徐々に姿を現していく様子を描写しています。
つまり「この道の」という表現で、詠み手がその道を歩いている視点が示され、「富士になり行く」という言葉から、進むにつれて富士山が徐々に見えてくる様子が伝わります。
また「芒かな」により、秋のすすきの風景がその場に広がっており、雄大な自然と季節感が調和しています。
『曳かれる牛が 辻でずっと見回した 秋空だ』
曳かれる牛が 辻でずっと見回した 秋空だ
読み方：ひかれるうしが つじでずっとみまわした あきぞらだ
季語：秋空
句意：秋の辻（道の交差点）で、引かれている牛が立ち止まり、周囲をゆっくりと見回す様子を描いています。
つまり「曳かれる牛」という表現で、牛が自ら動くのではなく、人に引かれて動いている様子が描かれ、どこか寂しげで落ち着いた印象が漂います。
また「ずっと見回した秋空だ」ということで、牛が広がる秋の空をゆっくり見つめる情景が表現されています。
『千編を 一律に飛ぶ 蜻蛉かな』
千編を 一律に飛ぶ 蜻蛉かな
読み方：せんぺんを いちりつにとぶ とんぼかな
季語：蜻蛉（とんぼ）
句意：無数のトンボが一斉に同じリズムで飛んでいる様子を描写しています。
つまり「千編を」という表現で、数えきれないほどのトンボが飛んでいる様子が強調されています。
また「一律に飛ぶ」という言葉で、トンボたちが同じ動きを繰り返して飛んでいるリズム感や秩序が表現されており、自然の一体感が感じられます。
この句では、自然界の動きの中にある規則性や美しさを巧みに捉え、トンボの飛び方に注目することで季節感と共に動的な風景を描き出しています。
河東碧梧桐のちょっとむずかしいクイズ
クイズ：河東碧梧桐が取り入れた新しい俳句の形式はどれでしょう？
- 五・七・五の伝統俳句
- 自由律俳句
- 短歌俳句
秋だけでなく、河東碧梧桐が詠んだ冬の俳句もお楽しみください。また季節ごとの俳句の移り変わりを感じることで、より一層俳句の世界が広がります。そしてイラストでシンプルに楽しむ河東碧梧桐の冬の俳句5選の記事もぜひご覧ください。
まとめ
今回ご紹介した
河東碧梧桐の秋の俳句5選は、
シンプルながらも自由な視点で
描かれた作品ばかりです。
またイラストと共に楽しむことで、
秋の風景や自然の移ろいがより
身近に感じられるでしょう。
初心者にもわかりやすく、また自然や日常の美しさをシンプルに表現した俳句は、秋の情景を楽しむのにぴったりです。
碧梧桐の俳句を、ぜひイラストと共に心ゆくまで楽しんでみてください。
河東碧梧桐の俳句をもっと楽しみたい方は、こちらの記事一覧をご覧ください。四季折々の情景を詠んだ俳句をまとめています。河東碧梧桐の世界観に触れ、俳句の魅力をさらに味わってみてください。こちらから。
クイズの答え：2. 自由律俳句
