水原秋桜子の冬の俳句で
冬の訪れを感じてみませんか？
冬の景色には、
静かで澄んだ美しさがあります。
また水原秋桜子の俳句は、
その一瞬を見たままの言葉で切り取り、
読む人の心にそっと届けてくれます。
本記事では、雪や夕暮れ、暮らしのぬくもりなど、身近な情景から感じる冬の気配を、初心者にもわかりやすく5つの句で紹介します。
▶前回の記事はこちらから！
水原秋桜子は、秋の俳句でも澄んだ視線で自然を見つめる表現を多く残しています。秋雨や秋晴れ、朝日の光など、移ろう季節の気配がやさしく描かれた句ばかりです。
まだご覧になっていなければ、前回の秋の俳句5選もあわせてお楽しみください。
冬を詠んだ水原秋桜子とは？
水原秋桜子 – Wikipedia（みずはら しゅうおうし）は、
冬の景色を明るく、
すっきりとした目線で詠んだ俳人です。
また雪や夕暮れ、
静かな暮らしの一場面を、
感じたままの言葉で描き、
そして読む人に情景を
そのまま届けてくれます。
強い感情を出さず、自然の姿を大切にすることで、澄んだ冬の美しさがやさしく伝わってくるのが特徴です。
水原秋桜子の冬の俳句5選
「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね！
『遠天に 雪嶺尾根を つらねたり』
遠天に 雪嶺尾根を つらねたり
読み方：えんてんに せつれいおねを つらねたり
季語：雪嶺（せつれい）
句意：この句では、はるか遠い空の下、雪をいただいた山々の尾根が連なり、冬の大きな自然の広がりを感じさせる情景を詠んでいます。
つまりこの俳句は、遠くまで澄み渡る冬空のもと、雪嶺が連なる壮大な景色を描いています。
また人の気配を排した視点が、自然そのものの大きさと静けさを際立たせています。
水原秋桜子らしい、写生を基調とした明るく広がりのある冬景色が、読む人の目の前に静かに立ち上がる一句です。
『夕焼けに 野川が染みつ 寒の入り』
夕焼けに 野川が染みつ 寒の入り
読み方：ゆうやけに のがわがしみつ かんのいり
季語：寒の入り（かんのいり）
句意：この句では、夕焼けの色が野川の水にしみ込むように映り、そこから本格的な寒さが始まったことを詠んでいます。
つまりこの俳句は、夕焼けに染まる野川の静かな美しさと、季節が冬へ深く入っていく瞬間を重ねて描いています。
また「染みつ」という言葉が、光だけでなく寒さまでも水に溶け込むような感覚を生み、読む人に穏やかな余韻を残します。
水原秋桜子らしい、明るさの中に冬の気配を含んだ写生が印象的な一句です。
『道の雪 消えて閑庭 なほ白し』
道の雪 消えて閑庭 なほ白し
読み方：みちのゆき きえてかんてい なほしろし
季語：雪（ゆき）
句意：この句では、道の雪は消えてしまったが、庭にはまだ白さが残り、冬の静けさがなお続いている様子を詠んでいます。
つまりこの俳句は、道と庭という身近な場所の違いから、雪の残り方が生む静かな時間を描いています。
また人の気配が多い道では雪が消え、閑庭には白さがとどまるという対比が、冬の深まりを自然に伝えます。
水原秋桜子らしい、明るく整理された写生によって、消えゆくものと残るものの美しさが静かに浮かび上がる一句です。
『菊の影 障子にさして 火桶あり』
菊の影 障子にさして 火桶あり
読み方：きくのかげ しょうじにさして ひおけあり
季語：火桶（ひおけ）
句意：この句では、菊の影が障子に映る部屋の中に火桶が置かれ、冬の静かな夕べの温もりある暮らしが感じられる情景を詠んでいます。
つまりこの俳句は、菊の影が映る障子と火桶のある室内という対照的な要素を並べ、冬の暮らしの静けさと温もりを描いています。
また外の自然と内の生活を結ぶ構図が明るく整理され、読む人は情景をそのまま受け取ることができます。
水原秋桜子らしい、清潔でやさしい冬の日常が心に残る一句です。
『吊橋に 木の葉高舞ふ 夕時雨』
吊橋に 木の葉高舞ふ 夕時雨
読み方：つりばしに このはたかまう ゆうしぐれ
季語：木の葉（このは）
句意：この句では、吊橋の上で、時雨にあおられた木の葉が高く舞い上がり、夕暮れの不安定な自然の動きを詠んでいます。
つまりこの俳句は、吊橋という不安定な場所で起こる木の葉の激しい動きを通して、季節の移ろいを描いています。
また時雨と夕暮れが重なることで、自然の変化がより強く感じられ、読む人の感覚を揺さぶります。
水原秋桜子らしい写生によって、動きと時間を一瞬に凝縮した秋の景が生き生きと伝わる一句です。
水原秋桜子の俳句ちょっとむずかしいクイズ
クイズ：水原秋桜子が重んじた俳句の姿勢として正しいのはどれ？
- 型を崩して自由に詠むこと
- 季語を使わず心情を中心に詠むこと
- 季語を大切にし、自然をそのまま表すこと
▶水原秋桜子の俳句には、季節の移ろいの中でふと心に残る静かな感情や自然の動きが描かれています。
啄木鳥の音や萩の風、冬菊の凛とした姿など、異なる季節の句を読み比べることで、秋桜子のまなざしがより深く感じられます。
気になる方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
水原秋桜子の冬の俳句5選まとめ
水原秋桜子の冬の俳句では、
雪や夕暮れ、室内のぬくもりなど、
身近な景色の中にある
静かで明るい冬の表情が
描かれています。
この記事「水原秋桜子の冬の俳句5選-代表作をわかりやすく解説！」では、秋桜子の冬の俳句を5つ厳選し、初心者の方にもわかりやすく解説しました。
また五つの句を通して、日常の中にひそむ澄んだ冬の美しさを感じ取ることができるでしょう。
クイズの答え：３．季語を大切にし、自然をそのまま表すこと
※秋桜子は、季語と自然描写を大切にする俳句を基本としました。
