中村汀女の夏の俳句で
静かな夏の風景、感じてみませんか?
中村汀女の俳句は、
日常の中にあるやさしさや、
季節の空気をそっとすくい取るような感性が魅力です。

本記事では、初心者でも楽しめる中村汀女の夏の俳句を5つ厳選してわかりやすく解説します。
夏を詠んだ中村汀女とは?
中村汀女- Wikipedia(なかむら ていじょ)は、
やさしく静かなまなざしで季節を見つめた女性俳人です。
特に夏の句では、
花火や風鈴、短夜などの日常の風景を
そっとすくい取るように詠みました。

言葉の奥にある感情の細やかさが、読む人の心に残ります。
中村汀女の夏の俳句5選

「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね!
『早打ちや 花火の空は 艶まさり』


早打ちや 花火の空は 艶まさり
読み方:はやうちや はなびのそらは つやまさり
季語:花火
句意:この句では、花火が早く打ち上がった夜空がより一層艶やかに見えたことが詠まれています。

つまりこの俳句は、夏の宵に花火が打ち上がる瞬間を描いています。

また、「早打ち」という一瞬のきらめきが、夜空の艶を際立たせる表現がポイントです。
日常の中のさりげない美しさに焦点を当てたこの句は、汀女ならではの繊細な感性が詩情を豊かにしています。
『風鈴の もつるるほどに 涼しけれ』


風鈴の もつるるほどに 涼しけれ
読み方:ふうりんの もつるるほどに すずしけれ
季語:風鈴
句意:この句では、風鈴の音が風に絡み合うほどに涼しさが感じられる空気感が詠まれています。

つまりこの俳句は、風鈴の音がもつれるように響く夏の風景を描いています。

また、「もつるるほどに」という表現が、風の強さと音の広がりを感じさせるのがポイントです。
聴覚で涼をとらえた繊細な描写に、汀女のやわらかな感受性がしっとりと表れています。
『短夜の ほそめほそめし 灯のもとに』


短夜の ほそめほそめし 灯のもとに
読み方:みじかよの ほそめほそめし ひのもとに
季語:短夜
句意:この句では、短い夏の夜に灯りの下で物静かに過ごす繊細な心情が詠まれています。

つまりこの俳句は、夏の短夜にともる灯りのもとでの静けさを描いています。

また、「ほそめほそめし」という繊細なリフレインが、慎ましやかな情感を伝えるのがポイントです。
夜の短さと心の細やかさが重なることで、汀女らしい内面的な詩情が際立っています。
▶秋の夜にも、汀女のやさしい光はそっと灯ります。
「イラストでシンプルに楽しむ中村汀女の秋の俳句5選」もぜひご覧ください。
『梅干して 人は日陰に 隠れけり』


梅干して 人は日陰に 隠れけり
読み方:うめほして ひとはひかげに かくれけり
季語:梅干し
句意:この句では、梅を干す作業が続くなかで、人だけは日陰に退いて涼をとる様子が詠まれています。

つまりこの俳句は、夏の強い陽射しのもとで梅が干される風景を描いています。

また、人は日陰に逃れるという対比により、暑さの中の知恵と生活感が浮かび上がります。
自然と人間の距離感をさりげなく詠んだこの句には、汀女らしいユーモアとやさしさが漂っています。
『おはぐろや 旅人めきて 憩らへば』


おはぐろや 旅人めきて 憩らへば
読み方:おはぐろや たびびとめきて いこらえば
季語:おはぐろ(川蜻蛉)
句意:この句では、おはぐろ蜻蛉が旅人のような趣で川辺にとまり、ひと息つく姿が詠まれています。

つまりこの俳句は、おはぐろ蜻蛉が川辺で羽を休める様子を描いています。

また、「旅人めきて」という比喩が、生きものに人間らしさを重ねる感覚がポイントです。
自然の動きと人の情感を重ね合わせる表現に、汀女ならではの柔らかな視線がにじんでいます。
中村汀女の俳句ちょっとむずかしいクイズ
クイズ:中村汀女の俳句によく見られる特徴はどれでしょう?
- 豪快で男らしい表現
- 科学的な自然描写
- やさしく繊細なまなざし
夏だけでなく、中村汀女が詠んだ冬の俳句もお楽しみください。また季節ごとの俳句の移り変わりを感じることで、より一層俳句の世界が広がります。そしてイラストでシンプルに楽しむ中村汀女の冬の俳句5選の記事もぜひご覧ください。
中村汀女の夏の俳句5選まとめ
中村汀女の夏の俳句は、
日常の中にある静けさや美しさを
やさしく描いています。

また花火や風鈴、短夜などの風景に繊細な感情が重なる表現が魅力です。

ことばの余白からにじむ情感を通して、心にやさしく響く夏を感じてみてください。
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クイズの答え:3.やさしく繊細なまなざし