斎藤茂吉の有名な短歌(vol.2)に触れてみませんか?
前回ご紹介した
『イラストでシンプルに楽しむ斎藤茂吉の有名な短歌5選vol.1』に続き、
第2弾としてさらに魅力的な短歌をお届けします。

『イラストでシンプルに楽しむ斎藤茂吉の有名な短歌5選vol.2』では、初心者でも楽しめる斎藤茂吉の有名な短歌をイラストと共に5つ厳選して紹介します。

今回は、自然の美しさを詠んだ短歌を中心にご紹介します。茂吉の短歌には、季節の移ろいや風景の細やかな表情が生き生きと描かれています。
斎藤茂吉とは?
斎藤茂吉 – Wikipedia(さいとう もきち)は、
明治から昭和にかけて活躍した歌人で、
自然の美しさや季節の移ろいを繊細に
表現した短歌を多く残しました。

彼の作品には、山や川、花などの風景が生き生きと描かれ、読むだけで情景が目に浮かぶようです。

今回の「イラストでシンプルに楽しむ斎藤茂吉の有名な短歌5選vol.2」では、そんな茂吉の自然を詠んだ短歌を中心にご紹介します。
イラストでシンプルに楽しむ斎藤茂吉の有名な短歌5選vol.2

「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね!
『はるばると 薬をもちて 来しわれを 目守りたまへり われは子なれば』


はるばると 薬をもちて 来しわれを 目守りたまへり われは子なれば
読み方:はるばると くすりをもちて こしわれを まもりたまえり われはこなれば
出典:赤光
句意:この短歌では、遠くから薬を持って駆けつけた自分を、静かに見守る母の姿が描かれています。

まず、「はるばると 薬をもちて 来しわれを」とあるように、作者の深い親孝行の思いが伝わります。

そして、「目守りたまへり」と続くことで、母の優しい眼差しが浮かびます。
この短歌は、「われは子なれば」と結ぶことで、どんなに年を重ねても母にとって子どもであることを再認識する情景が際立ちます。
『あしびきの 山こがらしの 行く寒さ 鴉のこゑは いよよ遠し』


あしびきの 山こがらしの 行く寒さ 鴉のこゑは いよよ遠し
読み方:あしびきの やまこがらしの ゆくさむさ からすのこえは いよよとおし
出典:あらたま
句意:この短歌では、冬の山を吹き抜ける木枯らしの寒さと、遠ざかる鴉の声が描かれています。

まず、「あしびきの 山こがらしの 行く寒さ」と詠むことで、吹きすさぶ風が山を渡る様子が伝わります。

そして、「鴉のこゑは いよよ遠し」と続くことで、風にかき消されるように遠のく鴉の声が、より一層の寂しさを強調しています。
この短歌は、厳しい自然の中に感じる孤独や哀愁が、深く胸に響く一首となっています。
『あづさゆみ 春は寒けど 日あたりの よろしき處 つくづくし萌ゆ』


あづさゆみ 春は寒けど 日あたりの よろしき處 つくづくし萌ゆ
読み方:あづさゆみ はるはさむけど ひあたりの よろしきところ つくづくしもゆ
出典:赤光
句意:この短歌では、春の訪れを告げる土筆(つくし)の芽生えが、日差しの温もりとともに描かれています。

まず、「あづさゆみ 春は寒けど」と詠むことで、春とはいえまだ寒さが残る情景が示されています。

そして、「日あたりの よろしき處」と続くことで、暖かい日差しが差し込む場所の穏やかさが際立ちます。最後に、「つくづくし萌ゆ」と結ぶことで、厳しい寒さの中でも、土筆が力強く芽吹く様子が印象的に表現されています。
この短歌は、春の光と生命の息吹を感じさせる一首となっています。
『うつつにし もののあもひを 遂ぐるごと 春の彼岸に 降れる白雪』


うつつにし もののあもひを 遂ぐるごと 春の彼岸に 降れる白雪
読み方:うつつにし もののあもひを とぐるごと はるのひがんに ふれるしらゆき
出典:暁紅
句意:この短歌では、春の彼岸に降る白雪を、現実の思いを遂げる心情に重ねています。

まず、「うつつにし もののあもひを 遂ぐるごと」と詠むことで、現実の中で強く抱いた思いが、ついに成就するかのような心情が表れています。

そして、「春の彼岸に 降れる白雪」と続くことで、春の訪れとともに降る白雪が、清らかで静かな雰囲気を醸し出しています。
この短歌は、現実の願いと、彼岸の季節に舞い落ちる雪の情景が重なり、深い余韻を残す一首となっています。
『音たてて 山の峡より いでてくる 雪解の水は 岸を浸せり』


音たてて 山の峡より いでてくる 雪解の水は 岸を浸せり
読み方:おとたてて やまのかいより いでてくる ゆきげのみずは きしをひたせり
出典:白桃
句意:この短歌では、雪解け水が勢いよく流れ出る春の情景が生き生きと描かれています。

まず、「音たてて 山の峡より いでてくる」と詠むことで、谷間から勢いよく流れ出す水の動きと力強さが伝わります。

さらに、「雪解の水は 岸を浸せり」と続くことで、その水が岸を浸しながら広がっていく様子が、春の訪れを感じさせます。
この短歌は、冬から春へと移り変わる自然のダイナミズムと、雪解けのもたらす豊かさを表現した一首となっています。
斎藤茂吉のちょっとむずかしいクイズ
クイズ:斎藤茂吉はどんな職業にも携わっていたでしょう?
- 医師
- 画家
- 俳優

解答はまとめの最後にあります!
まとめ
斎藤茂吉の短歌には、
四季の移ろいや自然の美しさが繊細に描かれています。
山や川、草花の姿を生き生きと映し出した短歌を、
イラストとともに楽しめる内容になっています。
初心者の方にもわかりやすく解説しているので、
短歌の世界に触れるきっかけにしてみてください。

今回は、「イラストでシンプルに楽しむ寺山修司の有名な短歌5選vol.2」として、彼の代表作の中から5つを選んでみました。言葉が持つ力や、情景の美しさを楽しみながら、短歌の世界に触れてみませんか?
クイズの答え:1. 医師
※斎藤茂吉は精神科医としても活躍し、その経験が短歌にも影響を与えました。