志太野坡の冬の俳句で
季節の移ろいを感じて みませんか？
志太野坡の俳句は、
雪や霜、夜の冷えなど、
身近な冬の情景を
ありのままの言葉で描いています。
本記事では、難しい表現は使わず、暮らしの中で感じる冬の気配をやさしく伝えてくれる句を、初心者にもわかりやすく5つ紹介します。
▶前回の記事はこちらから！
志太野坡は、秋の俳句でも身近な自然や生きものの気配を丁寧にとらえています。
雷のあとに動き出す雀や、秋雨に濡れる松の静けさなど、季節の変わり目がやさしく描かれた句ばかりです。
冬の句とあわせて読むことで、野坡のまなざしがより深く感じられるでしょう。
志太野坡の人物像を解説
芭蕉十哲-志太野坡とは？
志太野坡 – Wikipedia（しだ やば）は、
「蕉門十哲 – Wikipedia」（しょうもんじってつ）の中でも
宝井其角の門下として「かるみ」を体現した俳人です。
また洒脱さと素朴さをあわせ持ち、
そして都会的な感覚と日常の機微を軽やかに詠む作風が特徴。
また芭蕉や其角からの影響を受けつつも、独自の俳諧美を築いた存在といえるでしょう。
▶宝井其角の洒脱な作風に影響を受けた志太野坡。
その俳諧の源をたどるなら、師匠・其角の冬の句もあわせて味わいたいところです。
冬を詠んだ志太野坡とは？
志太野坡は、
冬の寒さや静けさを
暮らしの中の出来事として詠んだ俳人です。
雪や霜、夜の冷え、人の声など、
特別ではない場面を
そのまま見つめる視線が特徴です。
また大げさな表現を使わず、日々の生活に寄り添うことで、身にしみる冬の実感を読む人にやさしく伝えてくれます。
志太野坡の冬の俳句5選
「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね！
『人声の 夜半を過る 寒さ哉』
人声の 夜半を過る 寒さ哉
読み方：ひとごえの よなかをすぐる さむさかな
季語：寒さ（さむさ）
句意：この俳句では、夜中に人の声が通り過ぎていく中で、音の消えたあとに残る、いっそう身にしみる寒さを詠んでいます。
つまりこの俳句は、夜中に通り過ぎる人声の一瞬の温かさと、その後に広がる深い寒さを対照的に描いています。
また音が消えることで、かえって寒さが際立つ構図が、冬の夜の静寂を強く感じさせます。
人の気配と自然の冷えが静かに結びついた一句です。
『手雫を 猿も打ほる 今朝の霜』
手雫を 猿も打ほる 今朝の霜
読み方：てしずくを さるもうちほる けさのしも
季語：霜（しも）
句意：この俳句では、霜の降りた朝、猿でさえも手についた雫を払うほどの冷え込みである、と詠んでいます。
つまりこの俳句は、霜の降りた朝の身にしみる寒さを、猿のしぐさという身近な動きで描いています。
また人だけでなく猿さえも手を払うほどの冷えが、情景をより具体的に感じさせます。
冬の朝の静けさと冷気が、簡潔な言葉の中に深く表現された一句です。
『この比の 垣の結目や はつ時雨』
この比の 垣の結目や はつ時雨
読み方：このごろの かきのゆいめや はつしぐれ
季語：初時雨（はつしぐれ）
句意：この俳句では、垣の結び目に目を留めた折、初めての時雨が降り出し、季節の移りを詠んでいます。
つまりこの俳句は、垣の結び目という何気ない日常の細部から、初時雨という季節の節目を感じ取った一句です。
また大きな景色ではなく、身近な視線を通すことで、自然の変化がより静かに心へ届きます。
暮らしの中に忍び寄る冬の気配が、さりげなく描かれています。
『笹の葉の 今も散りけり 雪の上』
笹の葉の 今も散りけり 雪の上
読み方：ささのはの いまもちりけり ゆきのうえ
季語：雪（ゆき）
句意：この俳句では、雪の積もった上に、今もなお笹の葉が散り落ちており、冬の静かな時間の流れがを詠んでいます。
つまりこの俳句は、雪に覆われた静かな世界の中で、笹の葉が今も散り続ける瞬間をとらえています。
また動かぬ雪と、なお動く葉との対比が、冬の時間をゆっくりと感じさせます。
静と動が共存する冬の景が、見る者の心に穏やかに映し出される一句です。
『麦まきや 去年を泣日は 惣休み』
麦まきや 去年を泣日は 惣休み
読み方：むぎまきや こぞをなきびは そうやすみ
季語：麦まき（むぎまき）
句意：この俳句では、麦まきの時期になり、去年を思い涙した日には、村全体が仕事を休んでいた情景を詠んでいます。
つまりこの俳句は、麦まきという生活に根ざした季節の仕事を通して、人の心と村の営みを描いています。
また個人の涙の日が「惣休み」として共有されることで、当時の共同体の姿が自然に伝わります。
労働と感情が溶け合う冬の暮らしが、静かに心に残る一句です。
志太野坡の俳句ちょっとむずかしいクイズ
クイズ：志太野坡はどんな俳句のスタイルで知られている？
- 非常に難しく抽象的
- 軽やかで平明な句
- 長い物語の句
▶春を題材にした志太野坡の句も、かるみの妙で日常の情景を生き生きと描いた魅力があります。「志太野坡の春の俳句5選-かるみの妙で詠む春の情景」では、春ならではの柔らかな風景を紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
志太野坡の冬の俳句5選まとめ
志太野坡の冬の俳句では、
雪や霜、夜の寒さなど、
暮らしの中で感じる身近な冬の情景が
静かに描かれています。
また特別な言葉を使わず、
小さな出来事に目を向けることで、
冬の冷えや静けさが
自然に伝わってきます。
この記事「志太野坡の冬の俳句5選-代表作をわかりやすく解説！」では、野坡の冬の俳句を5つ厳選し、初心者の方にもわかりやすく解説しました。
クイズの答え：２．軽やかで平明な句
※彼は「軽み（かるみ）」という、軽やかで平明な作風の句を多く詠んだ俳人です。。
