石川啄木の短歌を
一緒に触れてみませんか?
彼の短歌は、日常の小さな出来事や
心の動きを繊細に表現しており、
どれも親しみやすい魅力があります。

今回は、初心者でも楽しめる石川啄木の有名な短歌をイラストと共に5つ厳選して紹介します。

ぜひ一緒に、啄木の世界をシンプルに味わってみましょう!
石川啄木とは?
石川啄木 – Wikipedia(いしかわたくぼく)は、
明治時代に活躍した短歌や詩の作家です。
日常の何気ない出来事や
感情を繊細に表現し、
多くの人に共感を与えました。

また代表作に『一握の砂』や『悲しき玩具』があります。

そして短い言葉で深い心情を伝える才能があり、今でも日本文学を語る上で欠かせない存在です。
イラストでシンプルに楽しむ石川啄木の有名な短歌5選

「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね!
『たわむれに 母を背負ひて そのあまり 軽きに泣きて 三歩あゆまず』


たわむれに 母を背負ひて そのあまり 軽きに泣きて 三歩あゆまず
読み方:たわむれに ははをせおいて そのあまり かるきになきて さんぽあゆまず
歌集:一握の砂
句意:たわむれで母を背負ったが、その体が驚くほど軽かったために涙がこぼれ、その重みを感じて三歩も歩けなかった。

つまり「軽きに泣きて」という表現から、母の体が軽いことに驚き、老いや苦労を感じ取った切なさが伝わります。

そしてその感情の重さに圧倒され、前に進むことができなかったという心情が巧みに表現されています。
この短歌は、母への深い愛情と、自身の無力感が交錯する一首です。
『はたらけど はたらけど 猶わが生活 楽にならざり ぢつと手を見る』


はたらけど はたらけど 猶わが生活 楽にならざり ぢつと手を見る
読み方:はたらけど はたらけど なおわがせいかつ らくにならざり じっとてをみる
歌集:一握の砂
句意:いくら働いても、生活は少しも楽にならない。その現実を嘆き、ただ自分の手をじっと見つめるばかりだ。

つまり「じっと手を見る」という結句は、働いても生活が楽にならない現実への虚無感を象徴しています。

また絶望感と諦念の中で、それでもなお労働する自身を見つめる啄木の深い自己反省と社会批判が凝縮されています。
この短歌は、短いながらも重みのある一首です。
『ふるさとの 訛りなつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく』


ふるさとの 訛りなつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく
読み方:ふるさとの なまりなつかし ていしゃばの ひとごみのなかに そをききにゆく
歌集:一握の砂
句意:故郷の懐かしい訛りが恋しくて、人々が集まる停車場へ行き、その声を探し求める。

この短歌では、啄木が故郷への郷愁を抱き、懐かしい訛りを求めて停車場の人ごみに足を運ぶ様子を描いています。

また故郷の言葉を耳にすることで、心の拠り所や安らぎを得ようとする切ない心情が込められています。
この短歌は、都会の喧騒の中で、故郷を求める啄木の孤独感と、郷土への強い愛情が感じられる一首です。
『頬につたふ なみだのごはず 一握の 砂を示しし 人を忘れず』


頬につたふ なみだのごはず 一握の 砂を示しし 人を忘れず
読み方:ほほにつたふ なみだのごはず いちあくの すなをしめしし ひとをわすれず
歌集:一握の砂
句意:頬を涙が伝うのを拭うこともできず、一握りの砂を差し出してくれた人のことを、忘れることができない。

つまり。「涙のごはず」という表現が深い悲しみや感動を暗示し、砂は儚いものの象徴として登場します。

またその行為と感情が啄木の心に強く刻まれ、忘れられない記憶として描かれています。
この短歌は、人との繋がりの尊さが込められた一首です。
『砂山の 砂に腹這ひ 初恋の いたみを遠く おもい出づる日』


砂山の 砂に腹這ひ 初恋の いたみを遠く おもい出づる日
読み方:すなやまの すなにはらばい はつこいの いたみをとおく おもいいづるひ
歌集:一握の砂
句意:砂山に腹ばいになり、触れる砂を通して、初恋の切ない痛みを遠く懐かしく思い出す。

この短歌では、啄木が砂山で腹ばいになり、初恋の切ない記憶を遠く思い出す様子を詠んだ一首です。

また砂に触れながら、忘れがたい初恋の痛みを静かに回想する情景が描かれています。
この短歌は、「砂山」という具体的な場所が、記憶の触媒としての役割を果たし、淡い青春の哀愁と郷愁を強く感じさせる一首です。
石川啄木のちょっとむずかしいクイズ
クイズ:石川啄木が詠んだ短歌に登場する「砂」は何を象徴していると言われていますか?
- 労働の辛さ
- 人生の儚さ
- 家族の愛

解答はまとめの最後にあります!
まとめ
石川啄木の短歌は、
日常の中の小さな感情や出来事を、
短い言葉で深く描き出した
ものばかりです。

「イラストでシンプルに楽しむ石川啄木の有名な短歌5選vol.1」では、啄木の短歌に触れることで、言葉の持つ力や繊細な心の動きを感じていただけるはずです。

ぜひ、この機会に啄木の世界を楽しんでみてください!
クイズの答え:2. 人生の儚さ