石川啄木の有名な短歌(vol.2)に触れてみませんか?
前回ご紹介した
『イラストでシンプルに楽しむ石川啄木の有名な短歌5選vol.1』に続き、
第2弾としてさらに魅力的な短歌をお届けします。

『イラストでシンプルに楽しむ石川啄木の有名な短歌5選vol.2』では、初心者でも楽しめる石川啄木の有名な短歌をイラストと共に5つ厳選して紹介します。

啄木の短歌には、ふるさとへの想いや人生の哀愁が込められており、時代を超えて多くの人の心に響きます。ぜひご覧ください!
石川啄木とは?
石川啄木 – Wikipedia(いしかわ たくぼく)は、
明治時代に活躍した歌人・詩人です。
彼の短歌は、日常のささいな出来事や、
ふるさとへの想い、人の心の弱さや切なさを、
素直な言葉で表現しています。

今回の「イラストでシンプルに楽しむ石川啄木の有名な短歌5選vol.2」では、さらに心に残る短歌を厳選。そして故郷の風景や、大切な人への恋しさ、人生の哀愁を詠んだ作品を楽しめます。

また啄木の短歌は、どこか懐かしく、読む人の心にそっと寄り添ってくれる魅力があります。
イラストでシンプルに楽しむ石川啄木の有名な短歌5選vol.2

「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね!
『不来方の お城の草に 寝ころびて 空に吸はれし 十五の心』


不来方の お城の草に 寝ころびて 空に吸はれし 十五の心
読み方:こずかたの おしろのくさに ねころびて そらにすわれし じゅうごのこころ
出典:一握の砂
句意:啄木が故郷・不来方(盛岡)の城跡で寝転び、広い空に心が溶け込むような感覚を覚えた青春のひとときを詠んでいます。

この短歌では、故郷・不来方城(盛岡城)の草の上に寝転びながら、広がる空に心を奪われた15歳の頃の自身の心情を詠んでいます。

また「空に吸はれし」は、若き日の純粋な夢や希望、現実への戸惑いが混じり合う感覚を表しています。
この短歌は、過去を懐かしみながらも、かつての無垢な心を思い出し、またその一瞬に戻るような郷愁が漂う一首です。
『ふるさとの 山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山は ありがたきかな』


ふるさとの 山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山は ありがたきかな
読み方:ふるさとの やまにむかひて いうことなし ふるさとのやまは ありがたきかな
出典:一握の砂
句意:故郷の山を前にすると、言葉にならない感慨が湧く。ただその存在に感謝し、懐かしさと畏敬の念を抱くのみであると詠んでいます。

この短歌では、故郷の山を見つめながら、言葉にできないほどの感慨を抱く心情を詠んでいます。

また「言ふことなし」という表現には、故郷に対する深い愛着や、懐かしさ、感謝の念が込められています。
この短歌は、「ありがたきかな」と結ぶことで、素朴な風景に対する尊敬や畏敬の念が際立ち、また故郷の持つ普遍的な温かさを伝える一首となっています。
『春の雪 みだれて降るを 熱のある 目にかなしくも 眺め入りたる』


春の雪 みだれて降るを 熱のある 目にかなしくも 眺め入りたる
読み方:はるのゆき みだれてふるを ねつのある めにかなしくも ながめいりたる
出典:悲しき玩具
句意:病に伏せる中、春の雪が乱れ降る様子を見つめる。またその光景がどこか悲しく、熱に浮かされた目に深く染み入るように感じられると詠んでいます。

この短歌では、春に降る雪を病に伏せる視点から詠んだものです。啄木は、乱れ舞う雪を熱にうかされた目でじっと見つめて、その光景に哀しみを覚えています。

また春の雪は通常、美しさや儚さを感じさせますが、ここでは病の孤独と心の沈みが重なっています。
この短歌は、視界のぼやけた中で降る雪が、彼の内面の寂しさや人生の不安を映し出している一首です。
『ふるさとの 麦のかをりを 懐かしむ 女の眉に こころひかれき』


ふるさとの 麦のかをりを 懐かしむ 女の眉に こころひかれき
読み方:ふるさとの むぎのかおりを なつかしむ おんなのまゆに こころひかれき
出典:一握の砂
句意:故郷の麦の香りを懐かしむ女性の表情に心を惹かれた。そしてその香りが郷愁を呼び起こし、彼女の眉の動きに深い想いを感じ取ると詠んでいます。

この短歌では、故郷の麦の香りに懐かしさを覚えながら、それを思い出す女性の表情に心を惹かれた瞬間を詠んでいます。

また麦の香りは、郷愁や過ぎ去った日々を象徴し、それを感じ取る女性の眉の微かな動きに、作者の感情が寄り添っています。
この短歌は、シンプルな描写の中に、郷愁と人の温もりが込められた一首です。
『わかれ来て 年を重ねて 年ごとに 恋しくなれる 君にしあるかな』


わかれ来て 年を重ねて 年ごとに 恋しくなれる 君にしあるかな
読み方:わかれきて としをかさねて としごとに こいしくなれる きみにしあるかな
出典:一握の砂
句意:別れてから年月を重ねるごとに、ますます君が恋しくなる。そしてその想いは薄れるどころか、年を追うごとに深まるばかりだと詠んでいます。

この短歌では、別れてから長い年月が経つほどに、ますます恋しくなる相手への想いを詠んでいます。

また「年を重ねて 年ごとに」と繰り返される表現が、時間の経過とともに募る感情の深まりを強調しています。
この短歌は、恋しさは消えるどころか、むしろ強まるという人間の心理を、シンプルながらも切なく表現した一首です。
石川啄木のちょっとむずかしいクイズ
クイズ:啄木の職業として正しくないものは?
- 小説家
- 歌人
- 画家

解答はまとめの最後にあります!
まとめ
石川啄木の短歌は、
日常の中にある切なさや郷愁を、
シンプルな言葉で表現しています。
ふるさとへの想い、愛する人への気持ち、
人生の哀愁が込められたものばかり。
本記事では、前回のvol.1に続き、
彼の有名な短歌をイラスト付きで
ご紹介しました。

今回は、「イラストでシンプルに楽しむ石川啄木の有名な短歌5選vol.2」として、彼の代表作の中から5つを厳選しました。

啄木の短歌が持つ優しさや寂しさを、ぜひ味わってみてください。
クイズの答え:3.画家
※啄木は歌人として有名ですが、小説や評論も執筆しました。しかし、画家としての活動はしていません。