俵万智さんの有名な短歌（vol.2）に触れてみませんか？
前回ご紹介した
『イラストでシンプルに楽しむ俵万智の有名な短歌5選vol.1』に続き、
第2弾としてさらに魅力的な短歌をお届けします。
『イラストでシンプルに楽しむ俵万智の有名な短歌5選vol.2』では、初心者でも楽しめる俵万智さんの有名な短歌をイラストと共に5つ厳選して紹介します。
俵万智さんの作品は、日常の小さな瞬間を鮮やかに切り取るのが特徴です。初心者の方でも気軽に短歌の世界に触れられるので、ぜひご覧ください！
俵万智とは？
俵万智 – Wikipedia（たわら まち）氏は、現代短歌を
わかりやすく親しみやすい形で表現する歌人です。
また代表作『サラダ記念日』は、
日常のささやかな瞬間を切り取った短歌で大ヒットしました。
今回の「イラストでシンプルに楽しむ俵万智の有名な短歌5選vol.2」では、さらに心に残る短歌を厳選。そして恋愛や別れ、日常のふとした気持ちを詠んだ作品を楽しめます。
短歌を始めたい方におすすめ！石川啄木と短歌の世界を通じて、特に初心者向けに短歌のルールを学べる記事はこちらです。
イラストでシンプルに楽しむ俵万智の有名な短歌5選vol.2
「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね！
『まだ何も書かれていない予定表なんでも書けるこれから書ける』
まだ何も書かれていない予定表なんでも書けるこれから書ける
読み方：まだなにも かかれていない よていひょうなんでもかける これからかける
出典：とれたての短歌です。
句意：何も予定のない真っ白な予定表が目の前にある。これからどんなことでも自由に書き込めるし、未来はまだ決まっていない。
「まだ何も書かれていない予定表」では、何も決まっていない未来の象徴であり、「なんでも書けるこれから書ける」と繰り返すことで、これから始まる新しい日々への前向きな気持ちを強調しています。
この短歌は、自由に選択できる未来の広がりと、未知への期待が込められた、そしてシンプルながらも力強い一首です。
『寄せ返す波のしぐさの優しさにいつ言われてもいいさようなら』
寄せ返す波のしぐさの優しさにいつ言われてもいいさようなら
読み方：よせかえす なみのしぐさの やさしさに いついわれても いいさようなら
出典：サラダ記念日
句意：寄せては返す波の優しい動きを見ていると、いつ別れを告げられても受け入れられる気がする。
「寄せ返す波のしぐさの優しさ」によって、別れの悲しみが和らげられ、穏やかな心持ちになっていることが感じられます。
また「いつ言われてもいいさようなら」と結ぶことで、執着を手放し、受け入れる境地が表現されています。
この短歌は、失恋の哀しさの中に、どこか静かな覚悟がにじむ一首です。
『「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの』
「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの
読み方：「よめさんに なれよ」だなんて かんちゅうはいにほんで いってしまっていいの
出典：サラダ記念日
句意：カンチューハイを二本飲んだ勢いで「嫁さんになれよ」と言われたが、それで本当にいいのかと戸惑っている。
つまり「カンチューハイ二本で」という具体的な描写が、酔った勢いで出た言葉の軽さを際立たせています。
「言ってしまっていいの」という自問によって、戸惑いや驚きが伝わり、恋愛の不確かさや揺れる感情を巧みに詠んでいます。
この短歌は、日常の何気ない瞬間を切り取った、俵万智さんらしい一首といえます。
『思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ』
思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ
読み方：おもいでの ひとつのようで そのままに しておくむぎわら ぼうしのへこみ
出典：サラダ記念日
句意：麦わら帽子のへこみが、まるで思い出の一つのように感じられ、またそのまま直さずに残している。
つまり「そのままにしておく」という表現から、過去の記憶を大切に残しておきたい気持ちが伝わります。
また具体的な描写によって、何気ない日常の風景が感傷的な意味を帯びるのが特徴です。
俵万智さんの短歌らしい、そしてシンプルでありながら情緒豊かな一首です。
『ハンバーガーショップの席を立ち上がるように男を捨ててしまおう』
ハンバーガーショップの席を立ち上がるように男を捨ててしまおう
読み方：はんばあがあしょっぷのせきを たちあがるようにおとこを すててしまおう
出典：サラダ記念日
句意：ハンバーガーショップの席を立つように、あっさりと男との関係を終わらせてしまおう。
恋愛の終わりを軽やかに、しかし印象的に表現しています。
また「ハンバーガーショップの席を立ち上がるように」という比喩が、別れの決意をあっさりとしたものに見せつつも、その裏にある心情の整理や迷いも感じさせます。
この短歌は、日常の何気ない動作に感情を重ねることで、短歌の持つ情緒とリアリティを際立たせた一首です。
俵万智のちょっとむずかしいクイズ
クイズ：俵万智さんの代表作『サラダ記念日』の発表年は？
- 1987年
- 1992年
- 2001年
解答はまとめの最後にあります！
まとめ
俵万智さんの短歌は、
シンプルな言葉で日常の感情を表現し、
多くの人の心に響きます。
本記事では、前回のvol.1に続き、
彼女の有名な短歌をイラスト付きで
ご紹介しました。
今回は、「イラストでシンプルに楽しむ俵万智の有名な短歌5選vol.2」として、彼女の代表作の中から5つを厳選しました。
恋愛や別れ、ふとした瞬間の気持ちを詠んだ短歌を、イラストとともに紹介しました。ぜひお気に入りの一句を見つけてみてください。
クイズの答え：１.1987年
※俵万智さんのデビュー作であり、短歌ブームを巻き起こした作品です。
