寺山修司さんの有名な短歌(vol.2)に触れてみませんか?
前回ご紹介した
『イラストでシンプルに楽しむ寺山修司の有名な短歌5選vol.1』に続き、
第2弾としてさらに魅力的な短歌をお届けします。

『イラストでシンプルに楽しむ寺山修司の有名な短歌5選vol.2』では、初心者でも楽しめる寺山修司さんの有名な短歌をイラストと共に5つ厳選して紹介します。

寺山修司さんの独特な世界観を楽しめる内容になっています。短い言葉の中に広がる物語を、あなたもぜひ感じてみてください。
寺山修司とは?
寺山修司 – Wikipedia(てらやま しゅうじ)さんは、
昭和を代表する歌人・詩人・劇作家です。
短歌の世界に新しい風を吹き込み、
独自の感性で日常や心の揺れを表現しました。

今回の「イラストでシンプルに楽しむ寺山修司の有名な短歌5選vol.2」では、より心に響く短歌を厳選しました。映像のように情景が広がる寺山修司さんの作品を、イラストとともに楽しんでいただけます。

また彼の短歌は、短い言葉の中に深い意味を込めた、印象的な短歌が魅力です。
イラストでシンプルに楽しむ寺山修司の有名な短歌5選vol.2

「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね!
『わがシャツを 干さん高さの 向日葵は 明日開くべし 明日を信ぜん』


わがシャツを 干さん高さの 向日葵は 明日開くべし 明日を信ぜん
読み方:わがしゃつを ほさんたかさの ひまわりは あすひらくべし あすをしんぜん
出典:寺山修司全歌集
句意:この短歌では、向日葵が自分のシャツを干せるほどに育ち、明日には花を開くだろうと信じる気持ちを込め、未来への希望を力強く表現していると詠んでいます。

つまり「わがシャツを干さん高さの向日葵」は、向日葵がすでに自分の背丈ほどに育ったことを示し、その生命力を感じさせます。

「明日開くべし」と続くことで、つぼみがやがて花開く確信が伝わります。さらに、「明日を信ぜん」という結びにより、未来への前向きな姿勢が強調されています。
この短歌は、成長する向日葵と明日への期待を重ねることで、人生の希望や信念を詠んだ一首となっています。
『列車にて 遠く見ている 向日葵は 少年のふる 帽子のごとし』


列車にて 遠く見ている 向日葵は 少年のふる 帽子のごとし
読み方:れっしゃにて とおくみている ひまわりは しょうねんのふる ぼうしのごとし
出典:われに五月を
句意:この短歌では、列車の窓から見える遠くの向日葵が、風に揺れる姿は、まるで少年が別れ際に帽子を振るようだと詠んでいます。

「遠く見ている向日葵」では、風に揺れながら視界を流れる情景を示し、それが「少年のふる帽子のごとし」と続くことで、旅立ちや別れの瞬間を想起させます。

さらに、この対比によって、過ぎゆく時間や郷愁の感情が際立ちます。
この短歌は、動きのある情景描写と象徴的な表現によって、切なさと旅のはかなさが巧みに表現されているといえます。
『森駆けてきて ほてりたる わが頬を うずめんとするに 紫陽花くらし』


森駆けてきて ほてりたる わが頬を うずめんとするに 紫陽花くらし
読み方:もりかけてきて ほてりたる わがほほを うずめんとするに あじさいくらし
出典:空には本を
句意:この短歌では、森を駆け抜けた後の火照る頬を、紫陽花にうずめようとするが、その冷たさが際立ち、静けさを感じると詠んでいます。

走ったあとの熱が冷めやらぬ頬と、そして紫陽花のひんやりとした感触の対比を巧みに表現しています。

また「森駆けてきて」という躍動感あふれる動きから、「頬をうずめんとするに」と、行為の目的が明確になり、最後に「紫陽花くらし」と結ぶことで、その静けさと冷たさがより際立ちます。
この短歌は、熱と冷、動と静のコントラストが生まれ、余韻のある一首となっています。
『草の笛 吹くを切なく 聞きており 告白以前の 愛とは何ぞ』


草の笛 吹くを切なく 聞きており 告白以前の 愛とは何ぞ
読み方:くさのふえ ふくをせつなく ききており こくはくいぜんの あいとはなんぞ
出典:寺山修司青春歌集
句意:この短歌では、草笛の切ない音色を聞きながら、告白前の恋のもどかしさや、愛の本質について思いを巡らせていると詠んでいます。

つまり「草の笛吹くを切なく聞きており」とあるように、草笛の音が淡い恋心を象徴しています。

さらに、「告白以前の愛とは何ぞ」と続き、恋愛における不確かさや戸惑いが表現されています。
この短歌は、恋に踏み出せない心の揺れと、純粋な愛の本質を問いかけています。
『夏蝶の屍を ひきてゆく 蟻一匹 どこまでゆけど わが影を出ず』


夏蝶の屍を ひきてゆく 蟻一匹 どこまでゆけど わが影を出ず
読み方:なつちょうの しかばねをひきて ありいっぴき どこまでゆけど わがかげをいず
出典:空には本
句意:この短歌では、蟻が夏蝶の亡骸を引きながら進むも、どこまでも自分の影から逃れられない姿を、人間の宿命に重ねていると詠んでいます。

つまり「夏蝶の屍をひきてゆく蟻一匹」という表現によって、命が尽きた蝶と、それを運ぶ小さな蟻の対比が強調されます。

さらに、「どこまでゆけどわが影を出ず」と続き、蟻がどれだけ進んでも自分の影から抜け出せない様子が、人生の閉塞感や運命の輪廻を示唆しています。
この短歌は、日常の一瞬の風景の中に、深い哲学的な意味を込めた一首となっています。
寺山修司のちょっとむずかしいクイズ
クイズ:寺山修司さんの代表的な短歌集のタイトルはどれでしょう?
- 『サラダ記念日』
- 『一握の砂』
- 『われに五月を』

解答はまとめの最後にあります!
まとめ
今回は、寺山修司さんの短歌を
イラストとともに紹介する第2弾です。
映像のように情景が広がる彼の短歌は、
読む人の心に強く響きます。
日常の一瞬を切り取ったものから、
深い感情を込めたものまで、
さまざまな作品を厳選しました。

今回は、「イラストでシンプルに楽しむ寺山修司の有名な短歌5選vol.2」として、彼の代表作の中から5つを選んでみました。言葉が持つ力や、情景の美しさを楽しみながら、短歌の世界に触れてみませんか?
クイズの答え:3. 『われに五月を』