山口誓子の夏の俳句で
夏の訪れを感じてみませんか？
誓子の俳句には、
鋭いまなざしと静かな余韻が同居しています。
本記事では、そんな誓子が詠んだ
夏の情景を5つの句でご紹介。
また身近な風景の奥にある季節の気配を、
やさしく解きほぐしながら解説します。
俳句が初めての方にもわかりやすく味わえる内容です。
▶春の風景に知性と静寂のひかりを添えた句を味わいたい方へ。
山口誓子が詠んだ春の俳句を、やさしい解説とともに紹介しています。
👉 山口誓子の春の俳句5選 – 代表作をわかりやすく解説！
夏を詠んだ山口誓子とは？
山口誓子 – Wikipedia（やまぐち せいし）は、
自然の現象や都市の情景を
鮮やかに切り取る俳句で知られています。
とくに夏の句では、
冷たさ・熱さ・静けさといった
季節のコントラストを、
ひとつの風景に凝縮させる名人です。
理知的でありながら情感も豊かな句風が特徴です。
山口誓子の夏の俳句5選
「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね！
『匙なめて 童たのしも 夏氷』
匙なめて 童たのしも 夏氷
読み方：さじなめて わらべたのしも なつごおり
季語：夏氷（なつごおり）
句意：この句では、子どもが夏氷を食べ、スプーンをなめながら楽しんでいる様子を、ほほえましく描いています。
夏の風物詩である「夏氷」をめぐる子どもの素朴な喜びが、静かに伝わる一句です。また「匙なめて」というしぐさに、無邪気さや味わう時間の尊さがにじみ出ます。
そして「童たのしも」の口語的な響きがやさしく、まるで一枚のスナップ写真のように情景が浮かびます。
夏の涼やかな歓びが、特に詩情をもって丁寧に表現されています。
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「匙なめて 童たのしも 夏氷」の奥深い魅力とは？
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この一句の情景・言葉の選び方・季語の妙を丁寧に解説しています。
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『夏つばめ 遠き没り日を 見つつゐる』
夏つばめ 遠き没り日を 見つつゐる
読み方：なつつばめ とおきいりひを みつついる
季語：夏つばめ（なつつばめ）
句意：この句では、燕が空にとどまり、遠くに沈む夕日を静かに見ているような、哀愁ある光景を詠んでいます。
夕日が沈む空の下、「夏つばめ」が一瞬の静寂の中に佇んでいるような情景が広がります。
また「見つつゐる」という表現が、燕の目線に詩的な深みを与え、自然と心が重なる瞬間を感じさせます。
動と静の対比が巧みで、また夏という季節の中にある一抹の寂しさと美しさが丁寧に描かれています。
『この町の 電車をかしや 山開』
この町の 電車をかしや 山開
読み方：このまちの でんしゃをかしや やまびらき
季語：山開（やまびらき）
句意：この句では、山開きの日、町を走る電車の姿がなぜか愛らしく見え、自然とのつながりがふと感じられると詠んでいます。
山開きの朝、日常の中を走る電車にふと目をとめた作者のまなざしが温かく描かれます。
また「をかしや」という古風な感嘆が、町と自然が共存する美しさや、日常に潜む季節の息吹を際立たせます。
遠くの山々が呼応するように、そしてこの町に暮らす喜びや誇らしさがにじむ一句です。
『紅くして 黒き晩夏の 日が沈む』
紅くして 黒き晩夏の 日が沈む
読み方：あかくして くろきばんかの ひがしずむ
季語：晩夏（ばんか）
句意：この句では、晩夏の夕焼けは赤く染まりながら、やがて黒く闇に沈んでいく。そして一日の終わりと夏の終息を重ねて詠んでいます。
夏の終わりにふさわしい、重く深い夕暮れの情景を詠んだ一句です。
また「紅くして 黒き」という対比は、鮮烈な赤から闇へと変わる空の劇的な移ろいを描き、晩夏のもの寂しさや余韻を印象的に残します。
沈む日そのものが、過ぎ去る季節を象徴するように感じられる、そして静かで力強い作品です。
『歩を進めがたしや 天地夕焼けて』
歩を進めがたしや 天地夕焼けて
読み方：ほをすすめがたしや てんちゆうやけて
季語：夕焼（ゆうやけ）
句意：この句では、天地が真っ赤に染まりゆく光景に圧倒され、足が止まってしまう。そして自然の荘厳さを描いています。
つまり天地が一体となって夕焼けに染まる壮大な光景に、人の心が打たれ、歩みを止めてしまう瞬間が詠まれています。
また「歩を進めがたし」という言葉が、目の前の自然に対する畏敬や感動を静かに伝え、夕焼けの美しさと人の小ささを際立たせる一句となっています。
心も足も立ち止まる夏の詩です。
山口誓子の俳句ちょっとむずかしいクイズ
クイズ：俳人・山口誓子の本名は、次のうちどれでしょう？
- 山口新比古
- 山口誠一
- 山口清太郎
▶秋と冬の誓子句も気になる方へ——
イラストでやさしく味わえる名句を紹介した、
以下の記事もぜひご覧ください。
山口誓子の夏の俳句5選まとめ
山口誓子の夏の俳句は、
季節の光と空気を鋭くとらえた表現が魅力です。
また自然の風景に人の感情が静かに重なり、
そして読むたびに新たな気づきを与えてくれます。
この記事「山口誓子の夏の俳句5選-代表作をわかりやすく解説！」では、誓子の夏の俳句を5つ厳選し、初心者の方にもわかりやすく解説しました。
初心者でも楽しめる明快さと、深い余韻が共存する句を、ぜひ味わってみてください。
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クイズの答え：１．山口新比古（やまぐち ちかひこ）
