与謝野晶子の春の短歌で
春の訪れを感じてみませんか?
春の空気には、心をふわりと
ゆるめてくれる不思議な力があります。
また与謝野晶子の短歌には、
そんな春のやさしさやときめきが、
色鮮やかに描かれています。
そして恋する気持ちや日常の一場面が、
春の風や花とともに詠まれた一首一首に詰まっています。

本記事では、与謝野晶子の春を詠んだ代表的な短歌を5つ厳選し、その魅力をわかりやすく解説します。

シンプルな言葉で紡がれる短歌の世界を、ぜひ一緒に楽しんでみましょう!
🍁 冬の短歌も楽しみたい方へ!
春の情景を楽しんだあとは、冬の空気を感じる与謝野晶子の短歌も味わってみませんか?イラストとともに、やさしく読める解説付きでご紹介しています。
▶︎ イラストでシンプルに楽しむ与謝野晶子の有名な短歌5選vol.2はこちらからどうぞ!
春を詠んだ与謝野晶子とは?
与謝野晶子 – Wikipedia(よさの あきこ)は、
恋や自然、女性の気持ちを
自由にのびのびと詠んだ歌人です。
特に春の短歌では、
花の美しさや恋のときめき、
心の動きを豊かに表現しています。
また感性がやわらかく、
情熱的でわかりやすい歌が多いため、
短歌に初めてふれる人にもおすすめです。

春の空気を感じるように、晶子の世界を楽しんでみましょう。
🌸 静けさの春も味わってみませんか?
与謝野晶子が恋や情熱を鮮やかに描いた春の短歌とは対照的に、樋口一葉は春の静けさや余韻をやさしい言葉で詠みました。
淡く優しい春の風景を短歌で感じたい方におすすめです。ぜひこちらもあわせてご覧ください♪
与謝野晶子の春の短歌5選

「意味」はわたぼうしの意訳なので、解釈の仕方は参考程度に読んでね!
『うつくしき 花屋が妻の 朝髪と わが袖と吹く 春の風かな』


うつくしき 花屋が妻の 朝髪と わが袖と吹く 春の風かな
読み方:うつくしき はなやがつまの あさがみと わがそでとふく はるのかぜかな
出典:毒草
句意:この短歌では、美しい花屋の妻の朝髪と自分の袖を春の風がやさしく吹き抜けていくと詠んでいます。

この短歌は、春の風が「花屋の妻の朝髪」と「自分の袖」を一緒に吹き抜けるという、やわらかくも官能的な情景が描かれています。

また、「うつくしき花屋が妻」とあるように、愛しい人の姿が鮮やかに立ち上がり、その髪と袖を結ぶ春風が、自然と恋のときめきをつなぐ存在として働いています。
晶子らしい情熱と感性が光る、春の恋心を詠んだ印象的な一首です。
『早春の 銀の屏風に 新しき 歌書くさまの 梅の花かな』


早春の 銀の屏風に 新しき 歌書くさまの 梅の花かな
読み方:そうしゅんの ぎんのびょうぶに あたらしき うたかくさまの うめのはなかな
出典:太陽と薔薇
句意:この短歌では、早春の銀の屏風のような風景に、梅の花が新しい歌を書くように咲いていると詠んでいます。

この短歌は、早春の澄んだ空気の中、銀色の光を帯びた風景に、梅の花が優雅に咲き誇るさまが映し出されます。
「新しき歌を書くさま」とは、自然が詩となって立ち現れる美しさを表現しており、言葉と自然の融合を感じさせる、視覚的にも詩的にも豊かな一首です。
『春の夢 ながく醒めざる 人なれば 四月の後も 花を思へり』


春の夢 ながく醒めざる 人なれば 四月の後も 花を思へり
読み方:はるのゆめ ながくさめざる ひとなれば しがつののちも はなをおもへり
出典:舞ごろも
句意:この短歌では、春の夢から覚めきれない人は、四月を過ぎてもなお花のことを思い続けていると詠んでいます。

この短歌は、春の夢からなかなか醒めないような心をもつ人の、四月を過ぎても花を想う姿が描かれています。

また「春の夢」とは、春の美しさやときめきを象徴し、それに心をとらわれ続ける状態を表しています。
季節が過ぎてもなお、春の余韻に生きる人の繊細な感受性があらわれており、与謝野晶子のロマンチックで情熱的な作風が光る一首です。
『人かへさず 暮れむの春の 宵ごこち 小琴にもたす 乱れ乱れ髪』


人かへさず 暮れむの春の 宵ごこち 小琴にもたす 乱れ乱れ髪
読み方:ひとかえさず くれんのはるの よいごこち おごとにもたす みだれみだれがみ
出典:乱れ髪
句意:この短歌では、愛しい人を帰さず春の夜を過ごし、小琴にもたれた乱れ髪が情熱を物語ると詠んでいます。

この短歌は、春の夕暮れ、愛しい人を帰さずに共に過ごす濃密な時間が表現されています。

「小琴にもたす乱れ乱れ髪」では、感情の高ぶりや官能的な余韻を象徴し、愛と情熱に満ちた春の宵の雰囲気を描き出しています。
与謝野晶子ならではの、大胆で情熱的な表現が際立つ一首で、特に女性の恋の自由さと美しさが見事に表現されています。
『春三月 柱おかぬ琴に 音たてぬ ふれしそぞろの 宵の乱れ髪』


春三月 柱おかぬ琴に 音たてぬ ふれしそぞろの 宵の乱れ髪
読み方:はるみつき ぢおかぬことに おとたてぬ ふれしそぞろの よいのみだれがみ
出典:乱れ髪
句意:この短歌では、音を立てない琴のように、そぞろに触れた春の宵に乱れた髪が恋の余韻を表すと詠んでいます。

この短歌は、柱(じ)を立てていない琴が音を立てないように、触れてもはっきりしない春の宵の情緒が描かれています。

また「乱れ髪」は恋の余韻や心の揺らぎを象徴し、触れたか触れないかの曖昧な感覚が、春三月という季節と重なって情熱的かつ繊細に表現されています。
与謝野晶子の官能と詩情が混ざり合う、春の夜の美しい余韻を感じさせる一首です。
与謝野晶子の春の短歌ちょっとむずかしいクイズ
クイズ:与謝野晶子が有名になったきっかけとなった作品はどれでしょう?
- 『みだれ髪』
- 『赤光』
- 『古今和歌集』

解答はまとめの最後にあります!
🌸 春だけじゃない、秋や冬の晶子もおすすめです!
与謝野晶子の短歌では、秋のこすもすや月の哀しさ、冬の雪や霜柱の美しさまで、四季の情景を豊かに描いています。
またイラストとともに、恋や感情のゆらぎが伝わる名歌をわかりやすく紹介しています。ぜひこちらもあわせてお楽しみください♪
🔗 イラストでシンプルに楽しむ 与謝野晶子の有名な短歌5選 vol.1(秋編)
🔗 イラストでシンプルに楽しむ 与謝野晶子の有名な短歌5選 vol.2(冬編)
与謝野晶子の春の短歌5選まとめ
与謝野晶子の春の短歌には、
花や風、恋の気持ちがいきいきと描かれています。
また言葉はやさしくても、
心の動きや春の空気が深く伝わってきます。
そして恋する楽しさや切なさ、
春の日のやわらかさを感じる一首ばかりです。

「与謝野晶子の春の短歌5選 – 代表作をわかりやすく解説!」では、初心者の方にも楽しんでいただける内容で、短歌の魅力や奥深さに触れることができます。

短歌を通じて、春の空気を感じ、詩の美しさに触れていただけたら幸いです。そして、お気に入りの一首を見つけてみてください!
🌸 もっと与謝野晶子の短歌を楽しみたい方へ
春だけでなく、秋や冬の情景、恋の歌など与謝野晶子の魅力あふれる短歌をたくさん紹介しています。
気になる方は、こちらの特集ページからぜひチェックしてみてください♪
クイズの答え:1.『みだれ髪』
※『みだれ髪』は、与謝野晶子が1901年に発表した歌集で、特に恋や女性の心を自由に詠んだ表現が話題となり、大きな反響を呼びました。また大胆で情熱的な短歌のスタイルが、今でも多くの人を魅了しています。